2010.03.11 Thursday

『マリー&ガリー』を楽しむための1冊『サはサイエンスのサ』

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    『アニメージュ4月号』は、アニメ『マリー&ガリー』を楽しむための一冊ということで、鹿野司『サはサイエンスのサ』を紹介したよー。
    出だしを引用。

    「そこで今回は『サはサイエンスのサ』を紹介しよう」
    「雑誌『SFマガジン』に連載されている科学コラム。15年ぶんから厳選、加筆修正して、ぎゅっと濃い一冊にまとめられました」
    「どこがおもしろかった?」
    「新世紀エヴァンゲリオンの考察のところです! どうしてヒットしたのかって分析があって、その後で“登場する主要なキャラクターのほぼ全員が、神経症的だってことだ”って、シンジとアスカのコミュニケーション方法について探っていって、さらにはその視点で映画バージョンを読み解いていく。身近な話題からはじまるので、科学が苦手なわたしでもぐいぐい読めました」
    「科学は宗教の一種だって、よく言われるけど、本書はそういうありがちなところで終わるんじゃなくて、そこから考察がスタートする。科学と宗教はどこが共通していているのか、どこが違うのかを解明していく。わかったような顔で思考停止するんじゃなくて、考えれば考えるほどわからないことも出てくるから、もっともっと考えていこう、っていう姿勢。そこが、好きだな」
    「人の記憶を読みとって、なにかのメディアに記録して観ることはできるのか。なんて話題もあって。
    2009.03.24 Tuesday

    坂本龍一全公演をiTunesで販売する試み

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      坂本龍一コンサートツアーの全公演を公演終了後、最短24時間でダウンロード販売する試み。iTunesで坂本龍一tokyo031809icon坂本龍一tokyo031909iconと次々とアップされている。
      さらに「commmonsmart」というサイトでは、“CDを上回るオリジナル・マスター音源クオリティ48kHz/24bitのAIFFファイル”でダウンロード販売。

      すごいなー。「音源は宣伝、ライブで収入という流れになってきている」という短絡的な考察を最近よく目にするけど、そんな単純なことで思考停止してると面白いことたくさん逃しちゃうよ、って痛切に思う。
      2009.01.22 Thursday

      無人島問題に操られると

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        タケルンバ卿日記

        ある夫婦、その妻に思いを寄せる男性、この3人とは何の関係もない男性、おじいさん。この5人が乗っていた船が難破し、無人島に流された。

        その過程で、夫婦の夫は行方不明となり、島に流れ着いたのは4人だった。この時点で夫の安否はわからない。

        夫の安否を確かめるには、船を出して捜索するしかないが、妻には船をつくる能力や、直す力はない。船をつくり、直すことができるのは、夫婦とは縁もゆかりもない男性ただひとりだった。

        妻はその男性に頼んだ。「船を直してください。夫を探したいのです」と。

        男性は直すと言った。だが、条件をつけた。その条件とは妻と一夜限りの関係を持つこと。

        妻は悩み、おじいさんに相談した。おじいさんは「気持ちのままに行動しなさい」と。

        妻は結局、その男性と関係を持った。男性は約束を守り、船を直した。

        そして船が直り、これからまさに夫を探すというときに、夫が無人島に自力でたどり着いた。

        妻は夫に、捜索するため、船を直すために男性と関係を持ってしまったことを告白した。

        夫はそんな妻を許さなかった。不貞であると。

        夫婦は破局した。

        ひとりになった妻の様子を見て、思いを寄せていた男が言った。「あなたが好きです」。

        という問題があって、
        皆さんは誰が悪いと思います?

        と、問いかけている。
        答えは、
        みんなの頭が悪い。
        で、いいと思います。
        というか、出題した奴が悪い。

        出題が悪いですませればいい。
        状況設定に無理があって、それ以外の選択肢を試行しないことがもっとも悪い。悪いのに、それを言わせないように設定だけ強引に推し進めて、ピントの外れた困った質問をする。
        誰が悪い?とか問うてる状況じゃねぇだろ。

        こういうのを仕事の研修で使って、真剣にディスカッションしているという図は、その企業のありようが透けて見える。
        出題者、つまり企業側が提示したことには、その提示内容そのものに間違いや無理があっても、考えて、行動しなさい。提示内容に疑義を申し立てることは認めぬ。
        考えて、行動した結果、提示内容にそもそも無理があったから失敗したのであっても、企業側じゃなくて、あなたたちの中から「悪いのは誰か?」を見つけ出しなさい。
        出題者の責任や、出題内容の責任に関しては、疑うことを禁ずるという場の雰囲気を作り上げているから成り立つ、もしくはそれを作り上げるための問題ではないのか。

        こういった問題に答え続けていると、思考停止するクセがついてしまう。
        「問いに対して答える」という強制が浸透すれば、(黒幕にとって)教育完了だ。

        マジック漫画ベスト1でしょの傑作杉本亜未『ファンタジウム』2巻(→『ファンタジウム』感想)に、マジックのテクニックとして“相手に選ばせるように見せかけて その実拘束している”方法が紹介される。
        マジックショップのおやじが「コーヒーにするか? 紅茶にするか?」と問うて、他の選択肢を選ばせない実演をした後に、こう語る。“飲み物は何がいい?と訊いてはいけない。それでは多数の選択肢を相手に与えてしまう。販売や詐欺の手口にも使われる方法だな− 二つの条件の内どちらを選んでも選ばせる側に好都合にできてるもんだ。”
        こうやって、どんどん選択肢を狭めて誘導してしまえば、誰だって、とんでもない困った状況に追いやられてしまう。そこから抜け出す方法はひとつだ、悪い「問い」に対して答えてはいけない、問いに対して問いで返さなければならない。

        いまから大事になってくるのは、「教える側→教わる側」という一方通行にならない場の雰囲気だ。講師側の言動に対して、受講者がどんどん介入でき、どんどん疑問を投げつけることができる「インタラクションの場」を作ることが大切だ。

        ■本
        デイヴィッド・アーモンド 『肩胛骨は翼のなごり』天使だけどふわーっと夢っぽい存在じゃないリアルな、でも、とても素敵な話、大傑作なのでタイトルが気になる人は読むべし。文庫化。

        ■きのう
        某若者と打ち合わせ。楽しそう。
        某テレビの取材。テレビって、取材者じゃなくて、カメラに向かって話すことになるので、不安になってくる。カメラに向かって話すときって、モードを切り替えないといけないなー。
        「夜のゲーム大学2」(→「夜のゲーム大学2」来てね)の宣伝文できたので宣伝しなきゃー。
        2008.06.05 Thursday

        『新・子どもたちの言語獲得』がおもしろい

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          小林春美・佐々木正人『新・子どもたちの言語獲得』
          子どもたちが言語を獲得できるのはなぜか、どういうメカニズムなのか、という論争を紹介した第1章から、おもしろい。ぼくは、この分野のことをほとんど知らないので、時系列で紹介される説にいちいちうなずきながら読む。
          外界からの刺激に反応を繰り返すうちに「連合」が形成されるという、つまり、大人の言葉を観察・模倣することで言語を獲得するんだって主張の行動主義アプローチからはじまる。のだが、あっという間に(本文2ページ目で)それがひっくり返され、そうか! そう言われればそれだけじゃ説明できないなと納得し、新しい説にうんうんとうなずいていると、次に登場する人物がそれを否定し、あっ!と驚いていたら、次の人がまたひっくり返す。
          どんでん返しの連続の物語を読んでいるような興奮だった。
          訳40ページほどの圧縮された言語獲得理論研究の歴史は、言語獲得理論のおもしろさだけじゃなくて、思考停止せずに考え続けることの大切さを伝えるテキストとしても絶品。

          はじめに
          第1章 言語獲得理論の動き
          ことばの獲得
          第2章 音声の獲得
          第3章 身振りとことば
          第4章 語彙の獲得
          第5章 文法の獲得〈1〉"動詞を中心に"
          第6章 文法の獲得〈2〉"助詞を中心に"
          ことばをささえるもの
          第7章 養育放棄事例とことばの発達
          第8章 障害児のことばの発達
          第9章 手話の獲得
          第10章 「ことばの獲得」を包囲していること

          各章の末尾に「読書案内」がついている。そこで紹介されていたノーラ・グロース『みんなが手話で話した島』も読みたい。
          2007.01.30 Tuesday

          騙されないリテラシを養う5冊

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            「発掘! あるある大事典」を信奉してた! なんて人は少ないとは思うが、「あるある」だけじゃなく、われわれを騙そうとしているもしくは騙しているモノはわんさかあるある。そこで「騙されないリテラシ」を養うための「読みやすい基本書」を5冊セレクションしてみました。堅苦しくなく、気軽に読めて、でも、ちゃんと読めるものを。

            鷺一雄『また、「あるある」にダマされた。』
            「にがりダイエット」「血液型性格診断」「セルライト」など「発掘! あるある大事典」のいい加減さやインチキを暴き、いかに視聴者をだましているかを検証する。
            第1章 命にかかわる『あるある』流ダイエット
            第2章 疑似科学がお茶の間を洗脳する!
            第3章 健康法続々! 日本人はそんなに不健康なのか?
            第4章 宣伝に利用される『あるある大事典』

            谷岡一郎『「社会調査」のウソ―リサーチ・リテラシーのすすめ』
            「働く女性の6割、職場で性的被害」「自衛隊『必要』84%」など、社会調査がいかにインチキをして、都合のいい数値を捏造しているかを解説。政府・官公庁が発表したものや、新聞に掲載されたものなど、具体例をあげて検証する。どのようにバイアスをかけるのか、調査のいいかげんさ、調査から読み解く方法の基本を分かりやすく解説してあっておもしろい。
            序章 豊かさ指標はなぜ失敗したか
            第1章 「社会調査」はゴミがいっぱい
            第2章 調査とマスコミ―ずさんなデータが記事になる理由
            第3章 研究者と調査
            第4章 さまざまな「バイアス(偏向)」
            第5章 リサーチ・リテラシーのすすめ

            村上宣寛 『「心理テスト」はウソでした。 受けたみんなが馬鹿を見た』
            血液型性格診断から、ロールシャッハテスト、内田クレペリン検査、YGテストなど、心理テストがいかにいいかげんかを暴いた本。ロールシャッハテストがいかにダメかについて特に詳しい。痛快! でも、それが、就職試験や診察室で、まだ使われてるのも怖い。
            第1章 なぜかみんなの好きなABO―血液型人間学
            第2章 万能心理テスト―その名は「バーナム効果」
            第3章 インクのシミで心を占う―ロールシャッハ・テスト
            第4章 定評ある性格テストは大丈夫か―矢田部ギルフォード性格検査
            第5章 採用試験で多用される客観心理テスト―内田クレペリン検査
            第6章 エピローグ―仕事の能力は測れるか

            と学会『トンデモ超常現象99の真相』
            臨死体験、百匹目の猿、人類は月へ行ってない、「神々の指紋」などなど超常現象や珍説の謎とインチキを解明する。トンデモないものを楽しむ「と学会」の本の中でも、真面目に解説している部分が多い本。オカルト、トンデモな99の説を次々と理論的に解説する具体例で検証の仕方が身につけられる。
            第1章 UFOの伝説
            第2章 異星人の伝説
            第3章 大宇宙の伝説
            第4章 地球大異変の伝説
            第5章 古代文明の伝説
            第6章 超科学の伝説
            第7章 奇跡と怪奇現象の伝説
            第8章 霊と死後の世界の伝説
            第9章 大予言の伝説
            第10章 超能力の伝説
            第11章 超自然の伝説

            菊池聡『超常現象をなぜ信じるのか―思い込みを生む「体験」のあやうさ』
            「NHK視点・論点」の「まん延するニセ科学」(YouTube)も話題になった菊池聡の本。
            (追記:↑「NHK視点・論点」の「まん延するニセ科学」は、物理学者の菊池誠で、菊池聡ではありませんでした。コメントで指摘いただきました。ありがとう。菊池で、ニセ科学ネタで、もう、てっきり、そうだと勘違いしてしまいました! 名前ちがうのに! がーん! 「騙されないリテラシ」ってエントリで、この間違い! アホや、おれアホやね)
            超常現象の正体を解明する本ではなくて、いとも簡単に超常的解釈を信じてしまう我々の側を検証する「超常現象からの認知心理学入門書」。もっとツッコんだ議論・データが必要な場合は、『不思議現象 なぜ信じるのか―こころの科学入門』をオススメ。
            第1章 「信じる心」はどこから生まれるのか?
            第2章 「自分の目で見たもの」は信じてよいのか?
            第3章 体験していないことをなぜ「体験」できるのか?
            第4章 その考え方は正しいのだろうか?
            第5章 それは本当に「めったにないこと」なのか?
            第6章 「信じる心」を生む「体験」のあやうさ

            ■追記
            木原善彦『UFOとポストモダン』もよかった!
            『本の雑誌2006年4月号』ーで紹介したので、その原稿を抜粋。
            木原善彦『UFOとポストモダン』(平凡社新書七二〇円)も、おもしろくて一気読み。UFOについての本だけど、空飛ぶ円盤やエイリアンの存在の真偽を検証するというスタンスではない。
             UFOと宇宙人についてのおびただしい言説を三つの時代に大きく区分けし、検証し、そこから見え隠れする考え方と、それぞれの時代の考え方を照合していくスリリングな論考だ。
             たとえば、社会が進歩していけば人類は幸福になるという楽観的な考え方がまだ十分に信じられていた時代には、UFO神話は、進歩した幸せな文明を持つものの象徴として語られる。ところが、ベトナム戦争が終わり、そういった直線的な進歩が信じられなくなった時代になると、エイリアンによる誘拐事件、UFO墜落事件、エイリアンと政府との共同陰謀説など、天空の理想ではなく、地上的な悪に内容が変移していく。
             荒唐無稽だと思えるようなUFO神話でも、その要素が文化的・歴史的な文脈に支えられてはじめて、受容され、流行する。ということが、はっきりと解って、読んでいて興奮した。UFO神話から、世界の歴史が見えてくる感じがしてくるのだ。

            ■関連リンク
            新聞記事など信じてはいけないなんて当たり前
            キーワード:思考停止
            2006.05.07 Sunday

            すぐに野次馬になるネットユーザー

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              昨日書いた「ネットにはびこる野次馬の口調」のリアクションを読んで。

              これもネットと限定した問題ではなくて、ある種の人々の抱える身体的問題だとすれば、はたしてそれを社会はどのようにとらえるのだろうか?やはり、自己責任で死ねというオチになるのだろうか?

              そんなオチになるのは、とても悲しい事態だと思います。
              「ある種の人々の抱える身体的問題」とは思えず、それは、自分の問題だと思うからです。
              「ネットにはびこる野次馬の口調」のテキストだって、
              >そういうタイプのモノマネとして書くけど
              と「逃げ」をうってますが、「失礼な若者」を枕にして書いているわけで。しかも、その若者に対面して話しているわけでもない。だからぼくのテキストは、野次馬的口調を揶揄しながら、野次馬的な要素があるわけです。
              もっと言えば、ネットで書く場合、野次馬的な要素から逃れることは困難なのではないか、と思うわけです。
              だから、これは「ある種の人々の抱える身体的問題」ではなく、「ぼくが抱える問題」であり、ネットを使って発言する多くの人の問題でもある、と考えます。

              もうひとつ。
              論客になるには人間関係とキャリアを積めって話

              ぼくは論客でもないし、論客になりたいわけでもないので、そういうつもりで書いたわけじゃないけど、そう読む人もいるということが新鮮でした。
              論客なんかならなくても発言できる。発言が、人間関係とキャリアになるんだって考えたほうが健全な気がしている。
              匿名が批判されるのは、匿名そのものが悪いわけじゃなくて。野次馬の下品な部分や、自分と自分の発言を切り離した無責任な発言を軽々しくやってしまうことそのものが批判されていて、匿名であったり、すぐに捨てられるハンドルネームだったりすることで、そうなりやすい状況そのものが批判されている。と考えると、自分の行動のひとつひとつが人間関係とキャリアになるのだと考えて行動することが、野次馬的な口調から逃れるギリギリの方法じゃないか、と考えています。

              野次馬的なメディアの在り方については、和田伸一郎『メディアと倫理 画面は慈悲なき世界を救済できるか』が刺激的で面白くて、参考になります。

              自分を軸することに関しては、森達也『世界が完全に思考停止する前に』が参考になります。
              2006.04.17 Monday

              ミヒャエル・ハネケ映画祭「ピアニスト」

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                ユーロスペースで、ミヒャエル・ハネケ映画祭
                『ピアニスト』を観る。
                ハネケ監督の『ファニーゲーム 』が、ものすっごい映画だったので、観に行ったのだけど。
                いや、ピアニストと青年のラブストーリーらしいという以外に事前情報を入手せずに行って。ふつーの展開はしないだろうとは思っていたけど、『ファニーゲーム 』以上に精神的ダメージを受ける映画だとは思わなかった。
                思考停止してはダメって言うけど、もちろん、それは、そんなところで停止しちゃダメってことで。どこかでは停止しなきゃいけないわけだが。しかし、この映画は、わざわざ、その思考の扉を開けなくてもいいんじゃないかい、ってところを、ゴリゴリと開けてしまうパワー。精神的に辛い。
                暴力だけじゃなくて、セックスに関わるダークな描写で、ダメージ大きすぎる。デート映画に使うと、たいへんです。
                母が良かれと思ってるが娘を抑圧していて……っていうモチーフのヘヴィな短編が山岸凉子にはいくつかあるけど、それが2時間以上さらにヘヴィにつづく映画って感じですよ。
                エンドクレジット、無音なんだけど、誰一人として席を立つ人がいなかった模様。すぐに現実に戻れない、みたいな。エレベーターに乗り合わせた数人が、ようやく現実復帰して、深いためいきを当時についたのが、おかしかった。

                ↓昔書いた『ファニーゲーム』の感想。
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                2005.10.22 Saturday

                評論家だって当事者だからね

                0
                  当事者になるということで「評論家になるな、実務者たれ。」と書いていて、だが、その書いている文こそが、「本当に日本と言う地域は評論家だらけだと。冗談じゃない。あんたはそれをやったことがあるのか?汗をかいたことがあるのか?それだけ言うのなら自分でやってみろ。」と、その後のためらいも含めて、とても、自己矛盾しているテキストになっていることに、ぼくは違和感を持つ。
                  いや、これを書いた人は、(きっと)とてもいい人で、別にこのテキスト自体を批難しようという気持ちはない。いい文章だなーと思う。
                  けど、そこに含まれる矛盾に、ぼくはどうしても違和感を持つ。
                  ブックマークのコメントたちの熱い感想にも、違和感を持つ。
                  日本に希望がない、という曖昧な主語に違和感を持つ。ぼくは希望を持っている、ぼくは日本にいる、なのに、勝手に希望がないと言われている感じ。
                  評論にも、いいものもあるし、ダメなものもある。
                  ちゃんとした評論は、ちゃんとした行動だし、ちゃんと汗を(←隠喩としてな)かいて書いているものだと思う。
                  ダメな評論は、曖昧な主語をふりまわして、人をけなして、夢を持てなどと紋切り型の結論で思考停止することだと思う(←たとえばね)。
                  「評論家になるな」と言い切る思考停止こそが、「当事者になるということ」で批判している「評論家」ではないのか。

                  って、勢いにまかせて書いたけど、「当事者になるということ」というテキストを批難しているように読めてしまうな。そうじゃない。このテキストを書いた人の気持ちは、わかる。だけど、そこで止まってちゃダメな感じが、なんというか、いい台詞がどーんと大きい文字で書かれた本を読んで、癒されて、近い場所を見ずに、遠くの夢という名のものに心をゆだねるだけでは、止まってしまうと思う。
                  うまく書けないな。
                  僭越だけど、応援している、でも、あれ、不良少年(え?)なので、こう素直に言えない感じだと思っていただければ。

                  *追記:うーん、やっぱり、「応援」に読めないところが、このテキストの弱いところというか、ぼくの限界か。本当に応援の気持ちで書いているんだけどね。
                  がんばるんだ、困難があってもそれに立ち向かうんだ、みたいな精神論になっちゃうと、つらくなるから、もうちょっと、考えて、枠組みを思考しなおしてみると、そのバイタリティがあれば、もっと良い結果を生み出せるよ、がんばって、と、書きたいのだけど、それを伝わるように書くことがなかなか難しい。
                  2005.10.03 Monday

                  エスカレーターで横にならぶ

                  0
                    はてなで【エスカレーターでの謝り方】という質問。

                    エスカレーターの片側歩行についてです。2歳児と4歳児をつれて荷物もっていると、どうしてもヨコに並ばなくてはいけなくなってしまいます。そのときに、歩こうとする方が後ろから来て強引に前に出ようとされます。どのように言えばエスカレーターの終点まで待っていただけるでしょうか?うまい言い回しを教えてください。


                    すでに書かれている回答もふくめて、とても気になる問題だ。

                    エスカレーターだけに限らず、いろんな事情の人がいるということを、ぼくたちは、すぐに忘れてしまう。
                    急いでいるときにエスカレーターで横に並んでいる人がいると、むっとしてしまう。
                    暗黙のルールだと思って、思考停止してしまっているのだ。
                    こういう時に、エスカレータの終点まで待ってもらう言い方って、ないものだろうか?
                    むずかしいけど、考えてみる。

                    *追記:「エスカレーター歩行の是非。(Yunyの鉄は、熱いうちに打て。)」に詳しい検証があります。
                    2005.08.18 Thursday

                    「なぜ人を殺してはいけないか」 主語が何か、はっきりさせてから考える大切さ

                    0
                      倫理・宗教・法律を持ち出さず、かつ情に訴える以外の方法で、「なぜ人を殺してはいけないか」を説明してください。
                      という質問が「はてな」にあった。

                      こういう質問は何度となく繰り返し問われる。
                      単純だと思うんだけどなー。

                      「なぜ人を殺してはいけないか」の主語が何であるか?をまず確認する。
                      それは「われわれは」である。
                      「わたしは」なら、聞く必要がない(自分の考えなんだから)。
                      「あなたは」なら、この質問はなりたたない(その場合は「殺してもいい」という回答もありえるのだから)。
                      しかも、質問者は、そういう個別的な意見ではなく、みんなに通じる「説明」を求めている。だから、この質問文の主語は「われわれは」である。
                      主語を省略するから、無意味に難しい回答をひねくりださなければならなくなる。
                      つまり、
                      これは、「われわれは、なぜ人を殺してはいけないか」という疑問である。

                      「殺してもよい」と設定すると、人は殺しあっていなくなる。
                      「われわれ」がいなくなることを「われわれは」望まない。
                      というか、いなくなった「われわれは」、いい/いけないを判断することができない。
                      よって、「われわれは、人を殺してはいけない」と言わざるを得ないのである。

                      質問者が、たくさんの回答をもらっても、納得しないのは、質問の主語を「わたしは」なのか「われわれは」なのか設定せずに考えているからではないか。
                      「わたしは」の場合と「われわれは」の場合では、おのずと考え方の道筋が変わってくる。それをごっちゃにして考えていくと混乱してしまうのだ。

                      以前書いた「あの曲はダメ!」って言う5つのポイントで、「主観的な感想なら主観的な言葉を使おう」と書いた。
                      意見や感想を言うとき、疑問を考えるときは、その主語が、「わたしは」なのか「あなたは」なのか「われわれは」なのかを、ちゃんと明確にしてから、考えるべきだろう。そうしないと無意味にぐるぐると迷走するだけだ。森達也が『世界が完全に思考停止する前に』で使っているフレーズを借りれば“主語のない述語は暴走する”のだ。
                      「主語をはっきりさせて対話する」ことが大切だ。

                      追記:気になった関連リンク
                      「なぜ人を殺してはいけないか」は倫理規範の同期現象である
                      殺してはいけないて、そういうことかー!

                      ■こどもそ関連リンク
                      なぜ人を殺してはいけないかリアクション
                      なぜ人を殺してはいけないか再考
                      2005.06.20 Monday

                      新聞記事など信じてはいけないなんて当たり前

                      0
                        知人が、

                        で、事故率なんぞ調べると驚愕!
                        中華航空は100人乗せると93人しか生還できない!
                        7人どこ行っちゃうんだぁああぁあああ!?

                        って書いてたので、いやいや、それはありえないって言うと、
                        危ない航空会社ランク…3千人がANAに流れた!? (夕刊フジ)って記事に、そう書いてるもん!って。
                        いや、たしかに、この記事を読むと、そうしか読めない。

                        記事にデータが載っている。

                        (7)日本航空…1.36% 1985年
                        (17)中華(台湾)…7.16% 2002年

                        で、

                        【注】事故死亡率は、事故死亡者÷「機体の定員×飛行便数」


                        って計算式が出てて、
                        って、ええーその計算式で%はないでしょ。100かけないの?って、もういきなり不信感ばりばり。
                        日本航空…1.36%って、100人に1人以上死ぬってことですか? あ、ありえないだろー。

                        で、
                        米国の任意団体「エアセーフ」がまとめた航空会社別の事故死亡率データだ

                        って書いてあるので、探してみると、
                        データ元は、↓ここ。
                        Fatal Event Rates for Selected Airliner Models(AirSafe.com)
                        Fatal Events and Fatal Event Rates(AirSafe.com)

                        いきなり冒頭に書いてあります。
                        The following airliner models are ranked by the rate of fatal events per million flights.

                        100万フライトにつき死亡事故が起こってる率ですよね。
                        100万フライト、ですぜ。
                        夕刊フジの記事に書いてる計算式は、ぜんぜんちがう。
                        データの数値、勝手にパーセントにしちゃダメじゃーーーん。
                        そもそも、事故死亡者が7%とかって、常識で考えてもおかしいことを平気で書いて、しかも、
                        飛行機に乗る前も乗った後も、結局は、自分の身は自分で守らなければならない、といえそうだ。
                        なんていう思考停止な締めですよ。
                        航空会社は、こんなデタラメ書かれて怒らないのかな?
                        この記事の下に、Ads by Googleで、航空会社の広告が出てるのが、なんとも皮肉な感じで、そんな宣伝してる場合じゃないっしょ!

                        まぁ、新聞記事を読む場合も、結局は、自分で情報を吟味して、嘘だらけの情報から、自分を守らなければならない、といえそうだ。っつーことでしょうか!

                        谷岡 一郎『「社会調査」のウソ―リサーチ・リテラシーのすすめ』って本は、新聞等に載ってる調査がいかにいいかげんだったり、嘘だったりするかってことがクリアに書かれてあって、目から鱗落ちまくりのオススメ本です。
                        2005.06.03 Friday

                        カードレールの金属片の犯人は

                        0
                          ガードレールに金属片 自転車の中学生がけがのニュースで、報道ステーションは全国的に発生しているからという理由だけで「ネットが悪い」「ネットを使った悪質ないたずら」と憶測で報道。
                          たとえば、「違法の看板を取り付ける器具」であるとか、さまざまな推測が成り立つ現状であるにもかかわらず、ネットを犯人にした報道は、どういうことなんだろう。
                          何かネットで悪口を書かれたりして腹が立って錯乱しているのか、思考停止しつづけているのか、無責任であることに麻痺してしまっているのか。
                          LINK:報道ステーション:番組へのご意見・ご感想
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