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2009.09.24 Thursday

『8bit年代記』『ピコピコ少年』『ジュ・ゲーム・モア・ノン・プリュ』『ゲームホニャララ』

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    なんだなんだ9月はゲーム本を出すと売れる月だという都市伝説でも流れたのか。
    ゲーム本がたくさん出た。
    ゲーム本といっても、攻略本とかハウツー本じゃない。ゲームを話題のキーとして取り上げた本だ。
    少なくとも四冊も!

    ゾルゲ市蔵『8bit年代記』
    ゲーム少年の自伝的青春漫画。大傑作。もう自分の思い出と重なって、ずるずると記憶の扉が開かれて、ページの50倍ぐらい読んだ感じに。
    自動販売機ハンバーガー「グーテンバーガー」のしわしわのパン、正月のお年玉を全部使いはたした『スペースハリアー』の衝撃、デパートの屋上のゲームコーナーなど、ゴロゴロ転げ回りながら「そうそうそうそう!」と連呼。
    バルーンボンバーを“面白いかといったらつまんないけど”って書いているところには異議を唱えるが、いや、そんなところに異議を唱える気持ちになるほどゲーム小僧だったころの気持ちに引き戻される。いや、バルーンボンバーは面白いんだよ!
    著者は、ファミコンが出た頃にはアニメにハマり、中盤はアニメ製作マンガになっていくんだけど、このあたりも熱い。ぼくは、アニメにハマらず、そのままゲームゲームゲームだった。
    ああ。なんだか、この漫画の凄さを説明しようとすると、いつのまにか自分の少年時代のことを書いてしまう。いや、そんぐらい凄い。
    80年代にゲームにハマっていた人は、必読。
    若いゲーム好きは、あの当時の雰囲気を知るためのゲーム歴史の教科書として必読。
    帯に推薦文を書いている遠藤雅伸さんがネットラジオで「ほんとに酷いんですよ、地方ってこんなだったのかって。犯罪だらけなんですよ」「こんな犯罪をやっていたよって記録です。少年の頃の美化された記憶じゃないです。犯罪!」ってお怒り。そう、やっちゃダメなことですよ。っても、遠藤さん、地方ってわりとこーゆー感じ、あったんでした(とはいえ、米光は、偽造コインとか、ライターでクレジットあげるとか、そういうダークな部分の体験はない。そういうことをやってる人がいるというのは知っていた、ぐらい)。

    押切蓮介『ピコピコ少年』の著者は、もう少し若い。
    心わしづかみにされるのがテクノスジャパン『西遊降魔伝』だったり、ゲームボーイで最初に買うソフトがセタ『あやかしの城』だったり、人生を変えたゲームが『夕闇通り探検隊』であったり、どメジャーじゃないところが素敵だ。
    ゲームウォッチ、駄菓子屋の筐体、FFV購入のための行列、エロゲー、To Heart、ゲームボーイと秘密基地などのエピソードが描かれる。

    ブルボン小林『ジュ・ゲーム・モア・ノン・プリュ』が文庫化。この本については「「ブルボン小林のゲームソムリエ」すごかったよ」に書いたのでそちらを参照のこと。

    ブルボン小林のゲーム本がもう一冊、『ゲームホニャララ』。ファミ通連載の傑作エピソードを厳選した一冊。
    “ゲームを遊ぶのとゲームを眺めるのでは、見え方がまるで違うのだ”としたら、本書は「遊び眺める」感じの見え方がするコラム集。なんだろなーこの感じ。
    なんで、読んでいて嬉しいんだろう。
    ポリゴンのキャラがピクッとなるという指摘や、エンディングを見ないために下の階まで降りていったKくんのエピソードや、初期のシューティングが高らかなファンファーレで始める印象なんかは、こうやって文字化されないと、すぐに忘れてしまいそうなことだから、かもしれない。なんで、そんなこと憶えてるんだろー。というような、でも、言われると、あったあった、というようなことが満載で、そういった指摘は、ゲーム誌で特集されたり、ゲーム評で語られたりしない。記憶からも消えていく(というか、言われなければことさら意識しなかったかもしれない)ようなことがらが、文字化されていて、「消える」ことから遠ざかることが嬉しいのかもしれない。

    ゲームが大好きな人は、そこから少し外れた視点を獲得するために、ゲームあんまりやらないという人も、そこから少し外れた視点を獲得するために、読むといいと思う。

    で。
    ブルボン小林×飯田和敏×米光一成で、10月1日立川オリオン書房でトークイベント。同じメンバーで10月16日に「夜のゲーム大学3」阿佐ヶ谷ロフト
    ぜひ、来てね−。
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