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2009.07.27 Monday

『大正野球娘。』を楽しむための一冊

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    『アニメージュ』8月号、BOOKSのコーナー書いた。

    小説神楽坂淳『大正野球娘。』が原作のアニメ『大正野球娘。』公式)をより楽しむための一冊として、石原千秋『百年前の私たち―雑書から見る男と女』を紹介。

    前半を一部分引用。
    「『大正野球娘。』がアニメ化です」
    「大正14年、使う道具もルールも分からないのに女学生たちが野球をはじめ、奮闘する物語だ」
    「そこで、今回は『百年前の私たち』を紹介します」
    「サブタイトルは、“雑書から見る男と女”。明治・大正期の雑書からその時代の人々の考え方や規範を読み解こう、考えてみようという本だ」
    「明治・大正の時代にも、脳科学と偽ったトンデモ脳トレーニングがあったり、“社交”というのは輸入思想だっていう指摘があったり、このころのフリーター・ニート問題が考察されていたり」
    「第十章“「堕落女学生」は世間がつくる”では、女学生について考察されている」
    「明治・大正期の学校を、今と同じイメージで想像すると、びっくりするぐらいズレたものになることがよくわかりました」
    「たとえば、女子には高等教育を受ける機会が、ほとんどなかった。そもそも学校の数が明治15年には5校しかなかったらしいんだよ」
    「明治30年代に高等女学校が増えるんだけど、同じ時期に文部省は、宗教教育を禁じます。外国人と接することが増える時代に、開明的な教育がいいのか保守的な教育がいいのかって論争になって、けっきょく保守教育に傾いちゃうんです。実質的にキリスト教教育を禁じるんですよね」
    「キリスト教系の学校のような開明的な教育は消え、良妻賢母を育てる教育になる。家制度を支えるための教育いっぽんやりになっちゃったんだってね」


    舞台が大正で、男女観がキーになっているアニメなので、石原千秋『百年前の私たち―雑書から見る男と女』を読んでおくと、いろいろ別の視点も見えてきて、ほんとおもしろい。発見がたくさんある。ぜひ。オススメです。

    女子野球チームの物語といえば、終戦直後の女子プロ野球を描いた高橋ツトム『鉄腕ガール』も大傑作。

    あと大正14年といえば、江戸川乱歩『孤島の鬼』も大正14年の物語なのであった。まったく違う路線だけど、同時代を描いた物語の傑作として、ぜひ。

    米沢 嘉博『戦後野球マンガ史―手塚治虫のいない風景』って本もある。
    コメント
    以前に「新刊めったくたガイド」でご紹介された『ブルマーの社会史―女子体育へのまなざし』も、このテーマにぴったりかもですね。セーラー服がそもそも「体操着」として導入されたというのは、この本で知った知識だったように思います。
    • ルー
    • 2009.07.28 Tuesday 13:11
    ああ、『ブルマーの社会史―女子体育へのまなざし』! そっちのほうがキャッチーだったかも。そのうちアニメージュで、ぜひ紹介したい。
    • 米光
    • 2009.07.28 Tuesday 14:26
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