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2009.01.29 Thursday

『RIDEBACK-ライドバック』を楽しむための一冊(予告)

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    アニメージュ用の連載原稿、『「RIDEBACK-ライドバック」を楽しむための一冊』を書いた。今回は、本のセレクションにいろいろ迷いに迷ったので、迷いっぷりを書いてみる。

    「RIDEBACK-ライドバック」(公式)は、カサハラテツロー原作(『RIDEBACK』)、高橋敦史監督のアニメ。
    一話目、いきなりバレエシーンから始まり、靱帯切断でバレエの道をたたれた少女が、乗用脚式自動車両と出会う……という展開。はじまりのバレエでジャンプするシーンが、ライドバックでジャンプする第一話エンディングシーンにつながるという30分アニメお手本のようなしっかりした構成。さらにライドバックの動きのリアリティもあって、わくわくする。

    なので、バレエ本だろ。
    とあれこれバレエ本を読む。バレエの歴史や見所など概要をわかりやすく知るには『バレエへの招待』がおもしろいな。具体的な身体の動きや用語を知るという意味では『バレエ上達へのヒント』だろうかとあれこれ検討したり、いやいや最初のバレエシーンで流れているのは「展覧会の絵」で、しかも革命が物語に関わりそうな気配なので、これは『追跡 ムソルグスキー『展覧会の絵』』がピッタリなんじゃないかああああ絶版だああああ、じゃ、他の「展覧会の絵」の本は、ってんで『ロシア音楽の魅力―グリンカ・ムソルグスキー・チャイコフスキー』を読むと、彼の誕生日や名前の謎など、おもしろいぞこの本は。一話目でこの曲が流れているのは、いろいろな意味があるのだな、とあれこれ考える。

    さらには、アニメの中で流れていた「展覧会の絵」はオーケストラ版じゃなくてピアノ版なので、幻のピアニスト・リヒテルについての本がいいんじゃないか。それまではラヴェル編曲のオーケストラバージョンばかり演奏されていたが、この天才ピアニストの「展覧会の絵」原典版演奏で、いっきにオリジナルピアノバージョンが有名になったとか。
    『リヒテル』は“父親の銃殺、母の逃亡、名教授ネイガウスとの運命的な出会い、西側への衝撃的デビュー―荒れ狂う時代の波の中から世界へ飛翔した巨匠の感動の生涯。25年にわたって綴られた貴重な「音楽をめぐる手帳」を初めて公開。”って本のようで、すごそうだよ、これだこれだとは思ったけど、お題が「ライドバック」でムソルグスキーの本やリヒテルの本だと、飛びすぎるか。と思い直し、しかも2話、3話観ると、バレエの話題はあまり出なくなりやはり、乗用脚式自動車両ライドバックの話に関連した本のほうがいいだろうってことで、いろいろロボット工学とかそのへんの本をさぐって、門田和雄『絵とき「ロボット工学」基礎のきそ』が、図が多く、ていねいだし、アクチュエータ、ロボットの運動学、ロボットの運動の制御学と、ライドバックを観るときにも参考になりそうだが、後半はちょっと行列とかいっぱいでてきて、アニメージュでオススメするにはちょっと難しそうだなというか、俺がじっくり読むには難しいだろうなと悩んで、あれこれいろいろロボット工学の本を見るも、もうひとつ。
    鹿野司『巨大ロボット誕生―最新ロボット工学がガンダムを生む』が、ロボット開発や工学や原理などアニメを観るときの参考にバッチリの名著なんだが、1998年の古い本だし絶版のようなので躊躇する。

    あ、実際にロボットを作る本はどうだろと思いつき、あれこれ探して、吉野耕司『60日でできる! 二足歩行ロボット自作入門』って本を発見。B5変型判と大きくて、639ページもある本なのに、3800円とコストパフォーマンスもよし。2007年の本だし(と思ったのにamazon品切れ中?)。書き方もていねいだし、図や写真も満載。作らない人でも、楽しめる本になっている。なんといっても、二足歩行ロボットの構造や、製作の苦労とかが、しっかりと伝わってくるので、ライドバックを楽しむ本としていいだろーと思ってセレクション。詳しくは次号アニメージュで。
    探索途中で見つけた『我らクレイジー☆エンジニア主義』が、とてもおもしろそうな本なので、今からじっくり読みます。
    コメント
    つ 東京湾岸バレエ団 (講談社コミックスキス): 朔田 浩美
    • ばれえなら
    • 2009.02.01 Sunday 09:49
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