<< 黒いジェット機と週刊少年サンデー | main | 飯田和敏によるノベライズ『小説げんしけん』 >>
2008.02.01 Friday

アキバオタク少年、柴田翔「ロクタル管の話」

0
    『恋愛小説ふいんき語り』の男性作家編の一回目で集まった。
    柴田翔『されど われらが日々――』は、この本に収録されている短編「ロクタル管の話」が圧倒的におもしろいよねーって意見が一致。
    ねえ、君。君はロクタル管を知っているかい。ロクタル管というのは、あの、ラジオに使う真空管の一種なのだ。(…)ぼくらはどんなにかあのロクタル管に憧れたことか。その憧れを判って貰うために、どうロクタル管の美しさを説明したものか。
    ではじまるんだけど、これが、えんえんとロクタル管、真空管の話をニコニコしながら(と感じる)語るオタク話。
    ロクタル管という奴は実に確かな姿をしていた。直径役三センチ、高さ約六センチのガラスの円筒の中に、黒い、鉄で出来た、細かい微妙な細工の、しかし同時に堅牢な電極がみじんの狂いもなく固定してある。円筒の下部にはGT管のような黒い大ゲサな、ベークライトのベースはなく、ただ、底面と側面、およびその両者の交わる角を保護するために、少し赤みを帯びて光る白い金属のベースが側面のごく狭い幅と底面を包んでいた。

    ロクタル管の描写と、おそらく1950年の秋葉原電気街となる前の露天商、“神田の小川町あたりから須田町あたりまで、ずらっと並んだラジオ部品ばかりの露店街を終日ほっつき歩いて”いる話と、“ラジオへの、いや、より正確には、一般に真空管を使ってある回路を作ること、への熱中”というラジオ少年である自分の語りだけで、38ページ。で、実に興味深い(最後に青春の挫折なところに収斂されていくけど)。
    抵抗やコンデンサーを挿入して回路を作って行く時、ぼくらはいつも自分の現に住んでいる世界とは別の世界を、その一見複雑にこんぐらがった配線の向うに、作っているような幻想を抱いたものだ。(…)
    ぼくらを掴んでしまって決して離そうとしない配線の向う側の世界の本当の魅力は、おそらく、その世界で起きることが、それは非常に正確であり、そのことは疑いえないのだけれども、同時に、決してぼくらの眼には見えることはないのだという点にあったのだ。


    『オーバーマン キングゲイナー 5.1ch DVD-BOX 』

    エヴァ『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 特装版』2008/04/25

    『未来少年コナン 30周年メモリアルボックス (期間限定生産)』

    『アボルファズル・ジャリリBOX』
    コメント
    コメントする








     
    この記事のトラックバックURL
    トラックバック
    すがやみつるのネットライフ第1回:長いプロローグ(1)
    「ジンとくる初音ミク」を読んだ方から、「以前、すがやみつるホームページのblogに掲載されていた『すがやみつるのネットライフ』をもう一度読みたい」というメールをいただきました。 そこでハードディスクの片隅からファイルを掘り起こし、あらためて掲載させていた
    • すがやみつるblog
    • 2008/12/11 12:45 PM
    Calendar
     123456
    78910111213
    14151617181920
    21222324252627
    28293031   
    << January 2018 >>
    Selected Entries
    Categories
    Archives
    Recent Comment
    • 文章を書いたらチェックしたい17の項目改2
      米光 (06/13)
    • 「キングオブワンズ」またも復活
      頼鳥 翠 (02/20)
    • 『魔導物語』20周年記念メモ
      /Tachesci (11/23)
    • 「アンチオレンジレンジ」サイトが「オレンジレンジファン」サイトになってる理由
      x hot アイアン (08/13)
    • 発想力トレーニング講座「想像と言葉」
      おやつ (06/22)
    • 宣伝会議編集ライター講座上級コース第7回目
      米光 (04/28)
    • 宣伝会議編集ライター講座上級コース第7回目
      通りすがりA (04/27)
    • 偶然を味方につける
      う。m (03/17)
    • 「人生は神ゲー」と考えてみるゲーム(ゲーミフィケーションについて3)
      もやし (01/22)
    • 日本公式萌えキャラ「ひのまるこちゃん」とか作ればいいんじゃないか。
      笹 (06/17)
    Recent Trackback
    Recommend
    自分だけにしか思いつかないアイデアを見つける方法―“企画の魔眼”を手に入れよう
    自分だけにしか思いつかないアイデアを見つける方法―“企画の魔眼”を手に入れよう (JUGEMレビュー »)
    米光 一成
    “「ぷよぷよ」を作った人気ゲームクリエイターが、若手育成カリキュラムの中から生み出したトレーニング法を公開!”
    Recommend
    仕事を100倍楽しくするプロジェクト攻略本
    仕事を100倍楽しくするプロジェクト攻略本 (JUGEMレビュー »)
    米光 一成
    「楽しいプロジェクト型」で仕事を楽しくデザインするための攻略本。
    Links
    Profile
    Search this site.
    Others
    Mobile
    qrcode
    Powered by
    30days Album
    無料ブログ作成サービス JUGEM