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2006.09.26 Tuesday

議論は勝ち負けじゃない

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    「議論について知っておくべきこと」は、議論から退却せよ、とアドバイスする。

    だが、しかし、そんなに早く退却を決断せずとも良いのではないか。

    「意見の相違を解消するため」に議論をする。
    だから、議論は、勝ち負けではない。
    強い弱いは、ない(うまいヘタはある)。

    議論がヘタな人は、議論を勝ち負けだと思ってしまう。お互いの後ろにゴールがあって対決しているように想像してしまう。
    そうじゃないのに。

    「同じゴールを目指してボール(意見)をパスしあうのが議論だ」と考えている同志だと、議論は有意義なものになる。
    たとえ、その場で対立していても、それは対立した話(対話)を重ねることで、ゴールが見えてくるからであって、勝ち負けを決めるためではない。
    お互いにパスを出し合いながら、突破口を探っているところをイメージすればいい。

    だから、議論において「強い人/弱い人」と思考すると、あっという間に議論が当初の意味を失う。「意見相違の解消」をしているのではなくて、相手をねじ伏せる作業になってしまうからだ。
    そうなってくると、議論の意義が薄くなる。
    たとえ、議論に「勝った」としても、相手は「負けた」と思うだけだ。議論に弱いからな俺は、と思うだけで、納得には至らない。
    理屈で説き伏せられても、感情は納得しない。

    問題は、「議論が勝ち負けじゃない」と全員が思ってないと、議論が成り立たないということだ。
    だれかが、「俺は議論に強い(からねじ伏せてやる)」と思っていたり「俺は議論に弱い(から議論の場につかない)」と思っていたりすると、同じゴールを目指してパスを出し合うことはできない。
    全員がパスを出し合うことを意識していないと、パスしあうことはできない。
    「議論は意見の相違点を見つけそれを解消するためにやるのだ」と全員が思っている、ということは、なかなか、ない。
    そう思っていても、白熱すると、つい忘れてしまうことも多い。

    だから、議論がこじれてきたら、「同じゴールを目指すために議論しましょう」と提案する理性を取り戻さなければならない。

    議論が苦手な人は、ゴールを目指すことを忘れてもいい。最初は、ただ異なる意見を耳にして、(いろんな意見の人がいるなぁ、と)自分の知見を深めるだけでいいのだ、という気楽さでいるべきだ。ボールのパスを出し合う練習だと思えばいい。ゴールをあせると、失敗する。

    退却などという手段は、最後でいい。そういったことがどうしても通じない(とにかく議論に勝ちたいって)相手の場合のみ退却すればいい。だって、それはもう議論じゃなくて、ただの「言い合い」なんだから。

    追記:って思うのは『日本文学ふいんき語り』などで、3人で延々と議論していて、それが、常に、ゴールを探し当てるためにパスを出し合って、だれかがシュートするための対話になっていて、それがとても心地良く面白いからだ。そうそうに退却を決意して、相手を内心罵っていたら、こんなに楽しいチャンスを逃してしまうのだなぁ、と実感するからだ。

    発想力トレーニング講座:10月第2火曜日からスタート。よろしく。
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    コメント
    よく目にする「I vs you」から「we vs 問題」へのシフトの話と関連するかもしれませんね。
    ただ、finalbent氏がどのようなシチュエーションに関して言及したのかは一考の余地があるかもしれません。議論の相手と自分をまとめて「we」だと見なせるか否かで、議論の意義や目的は変わるものだと思いますから。
    見識を深めるべきだという指摘はとてもいいなぁ、と感じました。
    • kerc
    • 2006.09.27 Wednesday 13:33
    いわゆる小政治的議論というものは会議に参加する人間が多い程発生率が高くなる気がします。

    もしこういった議論が会話の中で自然と始まるような友人を持つ人はすごく幸福でしょうね。
    • 通りすがり
    • 2006.10.06 Friday 09:24
    おぉ、「we vs 問題」「小政治的議論」と、知らないワードが続出! 勉強になるなー。
    >「I vs you」から「we vs 問題」へのシフト
    は、たしかに、そうとも言える気がします。

    >自然と始まる
    のは、まぁ、なかなか、幸せで。そうでないときは、そのような場になるように工夫が必要です。って、そのあたりを書くと長くなりそうなので、それは、またの機会に。
    • 米光
    • 2006.10.06 Friday 12:01
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