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2006.05.08 Monday

「脱出王」

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    Flashゲームコンテスト応募作「脱出王」のとんびさんから、「脱出王」のコメントをブログに書いて、ってメールをもらったので、書きます。

    「脱出王」は、テキストでコマンドを入力するタイプのアドベンチャーゲーム。
    1つの部屋から脱出するとクリア。次の脱出へ進める(隠し面的な進行もあり)。という面クリアタイプになっているところが面白い。

    コマンド入力アドベンチャーは、コマンドを探すことが楽しみのひとつだった。だが、コマンドが見つからない場合、無数の言葉という選択肢に比べて、あまりにもプレイヤーに提供されるヒントが少なすぎる。
    それどころか、「その言葉は理解できません」「それはできません」といった同じリアクションが繰り返されることになるとプレイヤーがチャレンジしようと思う意欲を持続できなくなる。
    「脱出王」も、間違ったコマンドを入力したときのリアクションが少ないので、いったん解らなくなると、ヒントの提供がなくなってしまうため、味気なく感じられる。このあたりは、テキストならではの豊かさが出ていれば、さらに面白くなると思う。

    とはいえ、面クリア型にすることで、特に最初のあたりは、ぼくにとっては、ちょっと悩んで進める感じの良いバランスだった。
    各面の謎がワンポイントで、最初に解説をつけるという工夫で、全体がチュートリアルのようになっている。それで、難易度のバランスをコントロールしやすい構造になっていて、(コマンドを基本的に制限していることも含めて)作者が苦労して丁寧にバランスをとっていることが伝わってきた。
    (テキストのゲームという意味ではなくて)地味なので、そのあたりをどう工夫して、遊ぶ人を惹きつけるかって点が改善されると、楽しいゲームになると思う。
    待っていると脱出できる、引き出しを登るなどのトリックは、昔のアドベンチャーゲームで既にあった古典的なもので、懐かしい。コマンドを制限したりといった工夫も既に行われているもので、懐かしい(マニュアルに全コマンドがずらーって書いてるゲームがあったな)。そういった懐かしさを超えたものを、もっとしっかりとアピールできれば、良かったと思う。
    特に最後の長い面は、チュートリアルが終わっていよいよ「ゲーム本編」って感じなので、もっと盛り上がるといいなー。

    これからも、おもしろいゲームを作ってください。

    って、でも、メールの返信を、ここで書くのってやっぱり難しいなーと思いながらギクシャク書きました。(今回は“メールでの返答ではなく、ブログで公開して”ってことだったので、ここに書きましたが)今後はメールでもらったものはメールで返信します。コメント欄に書かれた場合の返信は、ブログかコメント欄に書きます。

    ■関連リンク:「Flashゲームコンテスト結果発表」
    コメント
    >正直、ここを払拭する「具体的な魔法の言葉」を米光さんのコメントに期待して

    ってリアクションがTBにあったので、さらにリアクションしとこー。とはいえ「魔法の言葉」なんてものは、ないけどね。

    個人的にこう改善すればいいと思った部分。
    1:上記コメントでも書いたけど、間違ったコマンドを入力したときのリアクションを豊富にする(リアクションで楽しめる・行き詰まったときのヒントになる)。

    2:メッセージを改善する。ひとつひとつのメッセージを吟味して、プレイヤーを惹きつける要素を込めていく。
    参照:方向性は違うけど、たとえば「これぞMOTHERの世界」
    http://blog.lv99.com/?eid=478816

    3:全体を通した背景をプレイヤーに感じさせる構成にする。連作短編的な構成になっていて、最後に脱出する意味や、ただのゲームとしての設定だと思われていたことの全貌があきらかになる、とか。

    4:トリックというか、謎が、懐かしい感じのモノが多いと、さすがにワクワクしなくなってくるので、フレッシュなモノも交ぜる。

    軽さと豊かさは共存できるので、そのあたりを狙うといいんじゃないかなーと思ったり。
    1:「間違ったコマンド」を的確に想定するのが困難。これはほとんど、私の実力・経験不足。耳が痛い。どう間違うか、上手く想像できてない。たぶん、経験を積む以外なさそう。
     ただ、余計なお世話、ナレーションの立ち位置が崩れる、という理由で入れていない場合も多そう。コマンドのリアクションで楽しませよう、というパターンを取っているのは、チョウコクの部屋(15)が最大です。

    2:脱出王の場合、ナレーションに個性を感じさせたくなかった。その方法ではゲーム重くなりダメになると懸念。ナレーションは無機質であった方が「君」が生きるだろう、との考え。例えばバーチャファイターの背景が無機質なので、キャラが生きる、ように。

    3:脱出王の場合、兎の話と検定がそれだが、これも、全面に出すのは重くウザイ、と思い避けた。プレイヤーの想像の余地を残したいとの考え。

    4:は、プレイヤーの経験に依存するので、バリエーションを持たせるようにはしたが、懐かしい新しいの軸での取捨選択はしなかった。ただ、私としては、フレッシュなもの「例えば、ヒーロー的なもの」も混ぜているつもりではある。…昔のゲームにありましたっけ。あった気もするなぁ。というかネタ自体が懐かしいのがまずいのか?だからと言ってボウケンジャーでは、分からん人が多過ぎるだろうし。うーむ。

     米光さんが「軽さと豊かさが共存できている」と感じる部分が、私(正確には脱出王を作っている私)にとっては「べたべたした重さ」に感じられてるようです。
     とは言え、私自身も「着地点」がよく分かってないので、今後、色んな所を狙っていこうと思ってます。

     しかし、ここまで突っ込んで、色々指摘してもらえるとは思いませんでした。本当にメールを送って良かった。
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    米光一成さんにコメントを貰う(無理矢理に)
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    • 2006/05/08 9:40 AM
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