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2005.10.17 Monday

ニュースサイトはパクリ問題の深みにはまる

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    30女の芸能界の噂大好き!: 更新再開のお知らせ
    「盗作ブログを運営するブロガーはただの犯罪者」
    記事のパクリブログはみっともない。

    いや、「パクリが悪い」ということを問題にしたいわけじゃない(それは、また別の問題として、また別に)。
    ただ。
    ニュース紹介サイトは、今後、パクリ問題が混迷するんじゃないか、と推測。
    たとえば芸能界の噂みたいなものを知りたい読み手は、そのテキストに微妙な味わいや切り口などを求めていない(人が多い)。
    自分のサイトのテーマに合うものを、てきとーにネットからクリップしてきたサイトだって、がんがん情報が集まっていれば、読者にとっては、都合の「良いサイト」になってしまう。
    もちろんニュース系サイトとして、「情報元の見出し・コメント・リンク」にすれば、倫理的な問題はクリアできるが、上記のような読み手にとっては、それよりも、全文コピペしてあったほうが(リンク先に飛ばなくていいぶん)楽であるため、そっちのほうが都合の「良いサイト」になってしまうということだ。
    そもそも、「はてなアンテナ」は、どうなんだろうか? 引用の範囲を逸脱して、テキストが自分サイト以外で勝手に読まれてしまう、(それを、自分のテキストだと主張しないこと以外は)パクリサイトと変わりがない状況に設定することができる。

    これは、単純な問題じゃない。
    コメント
    マンガ家の描写盗用問題が出ていますが,それについてはどう思われますか。よねみつさんの意見が読みたいです。
    • 2005.10.20 Thursday 10:29
     私にとって懐かしいのは、個人ニュースサイト・ムーブメントというものが2000年頃から徐々に沸き立ち、2001〜2002年ごろに隆盛した頃に発生した問題を思い出してしまったことです(またその歴史の反省もなされていないのがヒストリカの運命論的で感慨深い)。

     そもそも、そのニュースサイト・ムーブメントというのは、

    ・初期テキスト系サイト(FUNNY GEMERS HEAVENやヘクサゴン、ウガニク【現二次元ドリームマガジンの中心人物】のホームページなど)からの発展系。

    ・所謂オタク系や株、競馬、格闘技、医療など個人的嗜好をニュースに仕立てたもの(TECHSIDEやMOON PHASE、sawadaspecialなど)。

    ・完全に社会的時事や些細な出来事について記述していくエッセイ系ニュースのもの(muunoolocalなど)。

     これらが原点としてあり、その後影響受けた人々がこぞってニュースサイトを作り出した結果、ムーブメントの潮流が生まれた経緯があります。その様式美の最終地点として「俺ニュース」のようなサイトがありました。

     さて、問題というのは先に記述した原点たる第一世代、その第一世代に触発された第二世代のあとを受けた、「孫ニュース」群と呼ばれる第三世代といえるサイトに現れ始めたものでした。

     初め、多くの個人ニュースサイトが用いた、アクセス数アップの為に情報元へリンクするといった方法論は、記事の第一次情報の出所よりも、初期テキスト系にあった相互アクセスすることによる連帯感を高めるためにありました(馴れ合いとして嫌がられたり、アクセスアップのための露骨なリンクや、アクセス流しと呼ばれる方法が生まれました)。

     ニュースサイト界隈が飽和状態になったとき、関連事象も多数生まれていきました。そんな中でニュースサイトの格付けやニュースサイトが持つべき倫理観――つまり、今回米光さんが指摘されているような、「情報元の見出し・コメント・リンク」を必ずつけるように、というものも議論に挙がりました。
     その頃になるとサイトの数が数だけに、情報をネタにするにも第一次情報がどこかなのか判断がつかず、また複数取り上げている場合どのサイトへリンクするべきか、といった状況が生まれていたからです。初期の頃にあった「相互リンクによる相乗効果」のようなマジックは中々生まれなくなっていました。挙句、「折角苦労して見つけた記事を、大手にパクられた!」というコメントさえそこかしこで噴出してきました。

     「その記事は、見つけたからあなたのものなのか?」という指摘もありましたが、あまり取り上げられもせず、流されていきました。多くの方々が、ニュースサイトを構築する要素はニュースであり、速報性や特異性である、と考えていたせいなのかもしれません。

     しかしながら、個人ニュースサイトの本義は実のところ、ニュースの意味や意義、速報性などさることながら『そのテキストに微妙な味わいや切り口などを求め』(記事引用)たものではなかったか、と思うのです。
     これは朝日や毎日など新聞社系サイトや、ITやPC情報を扱うニュースサイトとは異なり、初期テキストサイトの姿勢やオタク的――個人嗜好に基く記事構成をその根元であるとする、いわば連続するノンフィクションの私小説、エッセイではなかったか、と。

     だからこそ、格付けや情報の特異性速報性の議論が衰退し、ニュースサイト・ムーブメントそのものが儚く兵どもが夢の跡、といった道へ進んでいったのでは、と思います。


     前置きが長くなりましたが、今回米光さんが指摘されている、

    『自分のサイトのテーマに合うものを、てきとーにネットからクリップしてきたサイトだって、がんがん情報が集まっていれば、読者にとっては、都合の「良いサイト」になってしまう』

     と、

    『それよりも、全文コピペしてあったほうが(リンク先に飛ばなくていいぶん)楽であるため、そっちのほうが都合の「良いサイト」になってしまうということだ』

     という部分が非常に重要であると思いますが、個人的に「ああ、もう管理人の味を楽しまない時代になってきたのかな?」と感じてしまいました。
     ニュースサイト・ムーブメントは初期テキスト系サイトの面影――文章による無制限一本勝負を引き摺っていた故に、テキストの面白さを非常に重要視していました。転じて、その作者に対して憧れや親近性が生まれていったのだろうと思います。

     今回記事でリンクされている問題は、昨今でもある完全な海賊盤的行為であり言語道断であると論じても構わないものでしょう。

     しかし米光さんの指摘部分はそういう問題ではなく、考えるに、

    「せっかく一生懸命調べて書いた内容が、情報系サイトで全文コピーされて引用されてた……ちゃんとリンクしてもらってるけど……これってちょっと釈然としないよ! アクセス数も増えてないし、それに拘るのはがめついようで嫌だけど、自分のサイトで読んでほしいし、感想や意見だって欲しいのに……」

     という嘆く状況が今後も生まれていくかもしれない、そんなことが起こりうる可能性があります。

     ニュースサイト・ムーブメントのときは、「見出しで勝負」的なことがあり、期待していたものと違って「騙された!」と釣り行為を皆で愉しんでいたものですが、管理人の遊びや味を消してしまい、情報だけになると「即反応するのではなく、一旦停止して考える愉しみ」や「騙されたあとに、一旦停止して余韻を愉しみ」も無くなってしまうのでしょう。

     この問題の将来的議論は、剽窃問題、引用行為の線引き、ネチケット云々で論じるのではなく、「利便性や簡易性から生ずる創り手と受けて側の精神面」の点に注目しなければならないと思います。

     だれだって便利で簡単なほうがよい、『はてなアンテナ』も巡回行為というコストを取り除いたものです。「いやアンテナ使っているけれど、私はちゃんと……」という擁護意見はもう必要ではありません。無駄な行為です。重要なのは、

    「『はてなアンテナ』よりもっと高度なもので、シンプル表示でありながら、クリックするだけで見易い全文表示できるものが出現したとき、本当に巡回先のサイトまでアクセスする必要があるのか? ではなんの為に貴重な時間を割いてサイトを作り、物事を考えて、キーボードを打っているのか? 俺たちはアンテナの奴隷じゃない! 表現したいんだ、読んで欲しいんだ、意見とか感想とかも欲しいんだ!」

     という状況が起こりうる点でしょう。「俺達は大手ニュースサイトの情報供給源じゃない」という孫ニュース界隈の懐かしい声が重なるようです。


     私自身、記事をスルーしていたのが恥ずかしいですが、気づかないところで進行してしまう病のような問題だと思います。

     他の分野で物事を考える時――例えば、利便性という点を主軸に、私はきたるべきユビキタス時代の精神を解剖するとき、「個々の支配域の増大」として捉え、その利便性簡便性は犬のマーキングのような行為に直結していくだろうと考えています。本質はコミュニケーション・ツール(ニュースサイト・ムーブメントではリンク)ではなく、アルテル・エゴが具現化したようなものであろうと。
     「個々の支配域の増大」は、マイ・ブームです(笑)。
    ニュースの業界を守ろうとしちゃ駄目。
    ニュースを作る人も気概が大事。
    ニュースで世界を変えてやるって気持ちが。
    ずっとそういう気持ちでニュースを作ってれば、
    その思いはいつか他の人に伝わるもの。
     
    そういう気概のあるスクープって番組は面白かった。
    他の番組でニュースの一覧を見た後でも見てた。
    でも、視聴率が振るわずスクープって番組は終了しちゃった。
     
    スクープって番組は終わっちゃったけど、
    それでも、気概は伝わるって信じることにしてる。
    自分には伝わってきたんだから、自分の感じたことを信じる。
    • 鳥越さん、頑張れ。
    • 2005.10.20 Thursday 16:28
    はてなブックマークの人気エントリーページも、なんだか、パーソナルな人格のように見えるところが興味深くて、
    集合体としてのアルテル・エゴ!
    というか、アルテル・エゴを駆使する、とか、使い分けるとか、そんな環境になってきてるんだろうな。そうか、それは、めんどそうだ(笑)と、思う感覚が老人か、老人だ。
    • よねみつ
    • 2005.10.21 Friday 12:41
    >そうか、それは、めんどそうだ(笑)と、思う感覚が老人か、老人だ。

     若い方も米光さんのサイトを訪問していると思いますので、一応大勢を想定して書きますけれど、底の浅い揶揄でも、深い思索の上での批判でも構いませんが、そんな「老人の思想、老人の方法」があったということを常に知識として頭の本棚に置いて考えていってほしいと思うのです。

     そのメソッドが良い悪いではなくて、常に対比させて考えればより本質の深みへと追求できるし、部分をコラージュして新しくみせかけたり、次のステップの踏み台になるからです。


     ……にしても、「『はてなアンテナ』を著作権侵害だべ!」とかいう拡大解釈による状況になっても「いえいえ、あくまで個人利用の範疇ですし、我々はプログラムを提供してるだけですから」と返されそうですね。
     先の盗作ブログのような、「『はてなアンテナ』に登録したサイトからテクストを盗用した」ならば、単に著作権云々で落とし前をつけられますが、『はてなアンテナ』自体にターゲットを絞るのはちょっと無理があるような。
     だから余計に≪サイトを構築し表現することの価値≫の一つで、アクセスの問題に関して微妙に波及していきそう。これは、例えば『こどものもうそう』という大手サイトではなくて、固定客のついていない、今後の新規の人たちのほうがダイレクトに直面しそう(そして、余計に利便性簡便性のある進化版ブログのようなものが生まれ、またアンテナも進化する……鼬ごっこ)。

     それこそインターネット上で精神的革命が起こらないかぎり、あまり期待できないかもしれません。おお! いとうせいこう『ノーライフキング』のような、もしくは押井監督の『アヴァロン』みたいな、仮想世界が現実化して近寄ってきたぞ! けど……なんだか、現実世界が先に革命が起きそうですけれど。


     利便性簡便性でいうなら、こうしたコメント欄とかもわざわざ掲示板と独立していないという点で興味深いです。本来は襟元を正して、「さあ主張するぞ! さあ自分を如何に表現するか?」と書き込むものですが、なぜかこうすると書き易い……と感じてしまう。

     例えば編集者の方が、さらっと危ないことをしていることを、平気でしかも罪悪感もなしに書けるっていうのは素晴らしいと思います。
     いかなる批評において、それは本の付属物ではなく、また本の価値に振り回される奴隷ではない。書き手の表現つまり書き手の純粋な創作物であり、独立したものである――というのは当然でしょう。菓子折りぐらいよこしたらどうだ、と思いますよ。

     パクリ問題と相互リンクしているなと思ったので言及しました。編集者の方も、「……あ、やばいなあ。でも米光さん怒ってなさそうだし、謝罪の書き込みだけでいいかな?」とか略式でしないほうがいいでしょうね。
     ここはあなたの支配域ではなく、米光さんの支配域であり、また改変し引用した批評もまた、米光さんの支配域に存在するものなのだから。


     長々と、馴れ合いのように書き込みをして申し訳ございません。それでは。
    • 小林
    • 2005.10.21 Friday 14:52
    >マンガ家の描写盗用問題が出ていますが,それについてはどう思われますか。

    http://www.asahi.com/national/update/1018/TKY200510180421.html
    http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0510/18/news099.html
    http://www.kodansha.co.jp/info.html

    描写盗用問題が出ています、というのは、このことを示しているのですよね。

    盗作はよくないです。

    >すべての単行本も 出荷停止・絶版・回収の措置
    は厳しいという意見もありますが、
    ・作品全体にわたって盗用があるらしい
    ・ネットでの著者の対応のまずさ
    (その他、いろいろな理由が複合的にあるだろうし)しょうがない(いいやり方かどうかは不明ですが)ことだったのではないかと思います。


    • よねみつ
    • 2005.10.24 Monday 10:11
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