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2013.03.20 Wednesday

思考ツールとしてのタロット:師匠との対話編

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    師匠であるMagさんとの対話を再録する。
    tarot
    「こんど「米光一成の思考ツールとしてのタロット」って講座をやるんですよ」
    「うん」
    「それで、タロットを思考ツールとして使うってどういうことか、ってのを師匠と話したいなと思って」
    「いいよ。じゃあ、何か疑問を設定するところからスタートしようか」
    「どうすれば幸せになれるんでしょうか?」
    「いきなりだなー。幸せになるには、きちんと運命をつかんだり、捨てたりできればいいんだよ」
    運命をつかんだり、捨てたり?」
    「そうだよ。運命って何だと思う」
    「うーん、なんなんでしょう?」
    「運命って、自分の力を超えてやってくる吉凶禍福のことなんだ」
    「自分の力を超えてってことは、自分ではどうしようもない?」
    「そう。自分でどうにかできるんだったら、運命じゃないからね。運命の夜がやってきた!とか言うときって、もう個人の力じゃどうしょうもないことが起こるイメージでしょ?」
    「そうですね」
    「自分なんてちっぽけだからさ、外の世界から降りかかってくる事柄で、どうしようもないことが、たくさんあるわけだよ」
    「はい」
    「たとえば、どうしようもない上司がいて、自分の仕事が振り回されてしまう、とかね」
    「ありそうですね」
    「インチキなオカルトだとね、この運命をコントロールしちゃうとか言いだすんだよ。運を良くする方法とか、我が神が世界を良くするとか」
    「はぁ、そういうのはインチキですか?」
    「そりゃそうよ。自分にはどうしようもないことを運命と呼んだのだから。インチキというより言葉の使い方が乱暴って言えばいいのか」
    自分ではどうしようもないことだってある、と」
    「そう。だからこそ「俺たちの力で運命を切りひらくんだ!」って叫ぶとカッコいいんだよ。みんなが無理だと思っている運命を自分の力で切りひらくという宣伝だからね」
    「無理なことを成し遂げるのがヒーローや英雄だからってことですね」
    「そう。っても、まあ、現実に生きる我々は、その手はそうそう使えない」
    「はい」
    「自分でどうにかできることと、どうにもできないことは、ある。だから、我々個人個人ができることは、そのどうしようもない運命をきちんとつかんで、時には捨てて、自分らしくやっていくことだけなんだよ」
    「つかんだり、捨てたり?」
    「運命を大きな流れだと思うと、つかんだり捨てたりできなくなるけれど、それを細分化して、嫌な運命とは離れて、嬉しい運命とは近づくようにすることはできる」
    「その運命をきちんとつかんだり捨てたりするための道具がタロットカードというわけですか?」
    「運命をつかみ損ねる原因や、捨て損ねる原因は、たいてい自分の偏った見方なんだ」
    「うーん」
    「悩みと考えって違うんだ。悩んでるときって、考えられなくなってるときなんだ」
    「考えられなくなってる?」
    「そう。こうにちがいないっていう枠から抜け出せない。恋人がどうもつれないって相談を受けるじゃない? いろいろ聞いてみると、どう考えても、それもうダメだよ、相手に他の恋人できてるよ、って感じで、そうアドバイスしたら、そんなことないよ、違うかもしれないじゃない!?って、反発されたりすることあるでしょ?」
    「はい」
    「そういう状態のときって、冷静に考えられなくなってるんだよね。過去にしばられてたり、認めたくないことを抑圧してたり、こうに違いないって視点ですべてを見てるから修正できなくなったり。視野が狭くなってる。狭い視野のまま考えているから、他の人から見ると、もう当たり前のことに考えが及ばなくなっている」
    「はい」
    そこでタロットカードが使える
    「ほう?」
    「めんどうなんで、大アルカナだけで話を進めるけどさ。タロットカードってのは、世界を22枚のカードに分けた象徴体系なわけ」
    「いきなり難しくなってきました」
    「うんとさ、世界には、いろんなものがある。愛とか争いとか、生とか死とか、ネジとかクジラとか。言葉ってのは、その世界にあるいろんなものを分けて名をつけたものだろ?」
    「はい」
    「言葉を持たない無垢な状態にもどって、世界をたった22のカードに分類したものがタロットなんだよ」
    「実際に占いながら説明してもらえますか?」
    「OK。君は何を悩んでるかね?」
    「ええと、会社辞めて、フリーになったんで、この先どうやっていけばいいかなぁ、と」(これ、2000年、ちょうど会社を辞めた頃の師匠との対話なのです)
    「了解。まず、カードをシャッフルする。世界分類体系である22のカードを混ぜるわけだ。これが混沌、カオスの状態だ。いったん世界を壊すんだよ」(そういって、手元のカードをシャッフルしはじめる)
    「壊すんですか」
    「そう、君の思い込んでいる世界を一度、破壊する。そして、カードを取り出す(カードを3枚、テーブルに置く)。そして展開していく。これは、新しい世界像、新しい見方なんだよ」
    (カードを表にすると、塔と隠者と愚者のカードである)
    tarot 「どう? 塔ってのは、衝撃を示すカード」
    「はい。まあ、会社を辞めたわけですから」
    「そうピッタリなカードだ。いままで築いてきたモノをいったん壊して、新鮮なスタートをきれってことだからさ、辞めた時点の君の気持ちとシンクロするよね?」
    「ええ、その通りです」
    「そして隠者のカード。自分自身を探求するカード。何か思い当たることはある?」
    「うーん、はい。辞めて、会社の枠がなくなったので、自分がやりたいことは何かってことは、いま、とても考えてます」
    「そう。そして愚者のカード。何者でもない希望のカードだよ」
    「いままでのことに縛られるなってことですかね?」
    「そうだろうね。断崖絶壁を上を向いて歩いている。犬が危ないと警告している。でも、楽しそうに歩いている」
    「はい」
    「隠者のカードは、自分自身の探求を示すから、隠者と愚者の2枚のカードは、自分自身の内側のエネルギーに従って冒険すればいいってぐらいの意味かな」
    「そうかー。こうすれば儲かるとか、こうすれば名声が得られるなんて考えずに、自分のやりたいことをやっていけばいいってことですか」
    「っていうか、今のやりとりね。わたしはカードの意味しか言ってないんだ。それを解釈したのは君だ」
    「そうですね。あー、ほんとだ」
    「わたしがタロットカードで“当てた”わけじゃなくて、君自身が勝手に“思い当たった”だけ」
    「そうです」
    「いろいろな曖昧な気持ちが、カードによってひとつのはっきりしたスタイルに切り出せて、明快になった
    「はい」
    曖昧でぼんやりした思考を、ひとつの筋道として明快にする。そのうえで、それをつかむか捨てるかを判断する。これを、曖昧でぼんやりしたままでやってると、考えてるんじゃなくて悩んでる状態になっちゃうんだ」
    「でも、こんなにぴったりくるカードじゃない場合もありますよね?」
    「ある。たとえば、法王のカードが出るときもあるわけだ。その時、なんか大きな企業とかにスポンサーを象徴しているかもね、とか言うかもしれない、わたしは」
    「いいかげんですねー」
    「そうそう、いいかげんで、いいんだ。上手くいかないときは、たいてい思い込んでるときだから。ひとつの方法しかないと思っている。その方法が上手くいかなくて、すべてがダメだと思ってる。すべてがダメなんじゃなくて、今やってる方法がダメなのに、それ以外の方法に目が向けられない。そんなときに、カードがいいかげんに示す方法は、いいかげんであるがゆえに、思っても見なかった方法なんだよ。まったく別の方法を示してくれる。そこで、思い込んでいた方法以外の見方が生まれる。思い込みから抜け出して、いろいろな方法を考えることができる」
    「そうか。タロットで出た啓示が正解ではないんですね」
    「そう。タロットは、あくまでもひとつの方法を示すだけ。君の狭くなっていた視野に、別の視野を付け足すだけなんだよ」
    「でも、じゃあ、その人の狭い視野の外にいる、部外者である人が、アドバイスするのではどうしてダメなんですか」
    「まあ、そこにはひとつ罠があるんだ」
    「どういう罠ですか?」
    「視野が狭くなってる人って、視野を狭くしたいんだな」
    「え?」
    「たとえば恋人の裏切りの予兆を見つける。でも、それは信じたくないよね。いや、あれは、きっと妹さんのモノだとか、なんとか、信じないようにする。さらにまた見つけても、いやいや、ただの友達だ、彼が私を裏切るわけはない、と」
    「はい」
    「そうやって、じょじょに視野を狭くしていくのは、本人の望み、希望、祈りなわけだよ」
    「ほう」
    「そこで、友達であるあなたが、その祈りを、いきなりへし折ると、どうなる?」
    「腹が立つ」
    「そう。あなたは分かってない!ってなっちゃう。いや、本当は分かってる。本人も、数々の予兆から薄々は分かっていても、ストレートにそう言われちゃうと、受け入れられない
    「よくあるパタンです」
    「とはいえ、祈りを、じょじょに修正するのって、とても難しい。冷静に考えてみようよ、ってひとつひとつ検討しようとしても、そうすることそのものが嫌なんだから」
    「はい」
    「問題は、アドバイスをした人が、するよこしまな思考を持ったってことになるところ」
    「よこしま?」
    「自分の祈りとは違う思考方法の人に、相談してしまった!ってことね」
    「ああ」
    「冷静に考えた結果ではなく、わたしの祈りを踏みにじったっていうふうに見えてしまう。よこしまなことを言う人だってことに。ヘタすると、私の彼とろうとしてる!?みたいな」
    「あわわ」
    「では、どうすればいいか。まったくのランダムで、違う角度から考えることを突き付ける。ポイントは、まったくのランダムってところ。話を聞いたあなたの推理や憶測ではなく、話なんて聞いてないカードが示す、ということが大切」
    「ほう」
    「まあ、天からの啓示だとか、霊感だとか、神秘のパワーだとかってことにすると、もっと効果的な場合もあるだろうけどね」
    「わかります」
    「しかも、実際使っていると、当たっちゃうからさ、神秘とか霊感があるって勘違いしちゃうんだよね」
    「たしかにタロット使ってると何かのパワーが作用してるとしか思えない時が多々あります」
    「まあ、でも、バーナム効果だからね。当たってるって思っちゃうんだよ、人は。っていうか視点を示しているわけだから、当たり外れなんてないんだ。視野が狭くなって、ある角度から見てると、とても困って、悩んだ状態だったけど、あら、別の角度から見ると、なんでもなかったね、ってことってあるだろ、あれだから。補助線を引くと簡単に解ける、その補助線を示しているわけなんだな」
    「はい」
    「だから、タロットを思考ツールとして使い慣れてくると、いつでも別の手があるってことがわかってくる。そうなると、行き詰まったり、ひどく落ち込んだりすることも減ってくるんだ」

    これ、米光と師匠Magとの対話で、以前エキサイトブックスに掲載したものを少し加筆修正したものです。

    興味がある人は「思考ツールとしてのタロット」講座、ぜひ来てください。
    タロットをまったくやったことがない人、タロットカードを持ってない人(オリジナルタロットをプレゼント)でもだいじょうぶです。

    もちろん師匠Magというのは、ぼくの心の師匠で、The Magicianのカード。
    このように22枚のタロットカードのうち1枚を自分の思考を外部から眺めるための視点として、対話をするように思考する方法も講座では紹介します。

    「米光一成の思考ツールとしてのタロット」
    場所は、池袋コミュニティカレッジ(池袋駅から雨でも濡れずに行ける!)。
    5月スタートで、第3土曜日の夕方。
    5/18・6/15・7/20・8/17・9/21
    全5回。
    タロットを知らなくてもOK。神秘としてのタロットではなく新しい思考ツールとしてタロットのノウハウを基礎から伝授。22枚のカードを、あなたの側にずっと一緒にいてくれる22人のアドバイザーにしていきます。実際にカードを使いながら身につけていきましょう。

    「タロットカード持ってないよ!」「タロットぜんぜん知らないよ!」って人でもOKです。オリジナルタロットをプレゼント、それを使ってやっていきます。
    神秘的な何かや、占いの直感とか、そういったものはまったく使いません。思考のツールとしてカードを使って「分類」と「視点」を手に入れていきます。
    「占い」の講座ではありません。でも、タロット占いもマスターできるし、「どうして占いが当たったように感じられるのか」という仕組みも理解できます。
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