2011.11.24 Thursday
ゲーミフィケーションについて1
ゲーミフィケーションについて、書いてとか話してという仕事の依頼が増えてきた(明日25日は、「コミュニケーション/ゲームのダイナミクス」@2.5D、27日深夜はTBSラジオLife「ゲームと社会設計」)。
ゲーミフィケーションというのは「ゲームのノウハウをゲーム以外のものにも応用しよう」ということ。
ちょっとした流行語らしい。
ゲーミフィケーションの実例がガッツリ載ってる本、原題『REALITY IS BROKEN』、邦題
『幸せな未来は「ゲーム」が創る』(豊富な実例と盛り上げる書き方がおもしろいよ!)が刊行されたからだろうか。
2008年にスタートしたソニー銀行の「人生通帳」。
当時は「ゲーム感覚」って言ってたけど、今ふりかえると、まさにゲーミフィケーションだ。
「ゲーム感覚で資産管理」できるようにアドバイザーとして参加。
そのときの発表会で話した内容が、ゲーミフィケーションについてわかりやすく語ってると思うので、以下に引用。
持ち時間五分だったので、パワーポイントなしで、テレビのリモコンとケータイのマニュアルを小道具に話した。
2008年3月26日の発表会。
ゲーミフィケーションというのは「ゲームのノウハウをゲーム以外のものにも応用しよう」ということ。
ちょっとした流行語らしい。
ゲーミフィケーションの実例がガッツリ載ってる本、原題『REALITY IS BROKEN』、邦題

2008年にスタートしたソニー銀行の「人生通帳」。
当時は「ゲーム感覚」って言ってたけど、今ふりかえると、まさにゲーミフィケーションだ。
「ゲーム感覚で資産管理」できるようにアドバイザーとして参加。
そのときの発表会で話した内容が、ゲーミフィケーションについてわかりやすく語ってると思うので、以下に引用。
持ち時間五分だったので、パワーポイントなしで、テレビのリモコンとケータイのマニュアルを小道具に話した。
2008年3月26日の発表会。
米光一成です。ぼくは「ぷよぷよ」などのゲームのディレクションをしたんですが、「ぷよぷよ」遊んだことがある方。(何人かの手が挙がる)ありがとうございます。
その中で、マニュアルを読んだ方は…………。いませんね。
そうです。マニュアルを読ませるようなゲームはダメなんです。
「何も知らないこどもが最初の10分で夢中にならなければ、そのゲームはダメだ」と先輩から言われたことがあります。 ゲームというのは、遊ぶためのもので、生活の必要に迫られてやりはじめるものではない。ので、つまらなければ、すぐポイっと捨てられてしまう。わからなければ、それ以上やりつづけない。
「マニュアルを読んでやろう」なんて思ってくれるのは、まれなことです。
携帯電話なら、使わなければとても不便な世の中になってきたので、がんばって使ってくれます。自分の携帯電話のマニュアルを持ってきたのですが(取り出す)、500ページ超えてます。
ゲームは、こういったマニュアルなしで、簡単にはじめられて、すぐに楽しめて、操作性や機能を、その楽しみの中で教えていく工夫をしなければ、誰も遊んでくれなかった。だから、「簡単にはじめられる」ノウハウが蓄えられているんです。
(リモコンを取りだし)うちのビデオのリモコンです。今ごろ妻が「テレビが見れない」って騒いでると思います(笑)。
来る途中、電車でボタンの数を数えたら、36個あった。36個かと思ったら、ここがスライドして16個またボタンがあった。合計52個もボタンがある。どれが、なんのボタンかわからないです。
本当なら、これ、最初はボタン1つでいいんです。スイッチをオンにするボタンだけでいい。ここに大きくオンのボタンがひとつついてればいい。それを押すと、電源がオンになって、その後、にょきにょきっと次に必要なボタンが3つ出てくればいい。そういうふうにボタンが増殖するシステムになっていれば、ボタンを押しているうちに使い方がわかる。
シンプルになってることが、大切なんですね。
ボタンに対する信頼性につながるんです。
自分に必要なボタンがわかって、押してみようと思わせる。
たくさんボタンがあるとどれを押せばいいんだろう、と不安になる。でもそれが1つだったら、どういうボタンであるか、推測できる。わかることは安心です。押してみようか、と思う。やる気にさせる、行動させる工夫です。
ゲームは、やる気にさせる工夫をたくさん詰め込んでいます。「ゲームにハマる」とよく言いますが、「もっとやってみたい」と思わせることがゲームの楽しさにつながるので、そうなるようにさまざまな工夫をしているのです。
簡単にはじめられて、もっとやってみたいと思わせる。そうやってハマってるうちに、こどもは、そのゲームのルールや仕組みを理解していきます。どうすれば勝てるか、どうすれば次へ進めるか、どうすれば上手くいくかが、わかってくる。わかっていくように導いているんですね。そのように作っているんです。
小学生のこどもが、ポケモンカードで遊んでたりしますが、あれ、そうとうルール複雑です。勝とうと思えば、確率を理解したり、カードに書いてある文章をしっかり把握したり、戦術を立てる力を要したり、そうとうたいへんな知恵が必要になってます。
「シムシティ」という町を育てるゲームがあるんですが、それをプレイすると、町の仕組みが、理解できるんですね。「信長の野望」が好きだから、戦国武将については、学校の先生より詳しいというこどももいます。
そういうふうに、ゲームを通して、何かを学ぶ、ということが可能なんです。
勝間和代『お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践』がベストセラーなので、読んでみたのですが、金融リテラシーを学びなさいって書いてありました。でも、学ぶのはたいへんですよとも書いてあった。
たいへんなのはイヤです。
そういうときに、ゲームみたいに、簡単にはじめられて、楽しく続けられて、どんどんやってみたい、と思えれば、たいへんじゃなくなる。そういった中で、いろんなものが学べるといいと、ぼくは考えています。もちろん金融も、そうやってたいへんな思いをしなくても、学べるといいなーと考えます。
そして。「人生通帳」が、そういうふうなモノになると、ぼくは考えます。
たとえば「お金マップ」には、自分の資産が図示されます。ここの数字を変えると「円高が進むと資産がどのように変化するか」が、パッとわかる。こんどは、こっちを変えてみよう、そうすると連動して何が変化するか、どうなるかが、パッとわかる。
実際の自分のお金がどうなるか。
それが、ゲームのように、簡単にはじめられて、楽しく続けられて、パッとわかる、そういったなかで、金融の仕組みがわかってくる。
「人生通帳」は、そのための第一歩だと考えています。
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