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2011.02.13 Sunday

『ユリイカ2月号』に「編集は死ぬ/蘇る 俺が、俺たちが、ソーシャルだ!」書いたよー

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    『ユリイカ2011年2月号 特集=ソーシャルネットワークの現在』に、「編集は死ぬ/蘇る 俺が、俺たちが、ソーシャルだ!」というタイトルで書いてるよー。
    最初のところを引用しよう。
    【謎1】電子書籍のワークショップで質問が飛んでくる。「どのプラットフォームが勝ちますか?」意味がわからない。「どういうこと?」「アップルがいいのか、キンドルか、ソニーか、それとも他の何か?」 

    【謎2】2010年、何人もの編集者と会って相談を受けた。「これから編集の仕事が爆発的に増える」ということをいろいろな場で書いたり喋ったりしたからだ。「1983年にファミコンが出てその後ゲームデザイナーという仕事が激増した。編集や出版にとって、いま、1983年のような状況。これから編集の仕事が爆発的に拡大する」というと怪訝な顔をする。詳しく説明すると「そうか、そうですね」と納得するのだが、どうもしっくりとこない表情。それは、そうだろう。ぼくが言っている「編集」と、その人が考えている「編集」は大きく違う。「じゃあ、いままで編集って言ってたものは、どうなりますか?」「それだけを編集と呼ぶのなら、編集は死にます」

    電子書籍とは呼ばない。電書と呼ぶ。略称ではない。書籍を電子化したものは、電子書籍だろう。だが、ぼくが呼んでいるものは、そこに限定されない。籍の字は、戸籍・学籍・本籍・国籍・党籍・入籍・版籍・本籍というように帰属をしっかりと固定する根のような意味を感じる。だから電子書籍と呼ぶと、パッケージされたコンテンツという狭い視野から想像が飛びたてない。もったいない。

    デジタルな電書をアナログでリアルな対面で販売した。「電書対面販売」というのがイメージしにくいらしいのだが、そのままだ。販売員(基本的に電書の作者だ)がいる。ノートパソコンかiPhoneか、ネットワークにつながるマシンを持っている。そこにお客さんがくる。サンプルを見る。欲しい本を決める。欲しい本のタイトルとメールアドレスを販売員に伝えて、お金を払う。すると電書がメールで届く。簡単だ。

    2010年7月17日「世界初電書フリマ」を主催した。対面販売なのでネット接続できるマシンがあれば誰でも販売可能。だからイベントは同時多発。渋谷のカフェを基地に、京都、吉祥寺の雑貨屋、近所のカフェなど、数カ所。販売した電書は64種類。販売数は5209冊。購入者数529人。来場者数777人以上。盛況だった。渋谷の狭いカフェは、見ただけではなんの集まりかまったくわからないありとあらゆるタイプの老若男女が集まって電書について語り合っていた。取材してくれた東京新聞の記事から米光発言を引用。「電書はコミュニティーのハブ(結節点)になる」「ぼくにとっては、電書は「黒船」なんかじゃなくて、街を自由に巡る「野良猫」のような存在」

    電書フリマで多種多様な電書が出た。音声データとセットになったテキスト。ページがなく縦にずっと長く一行の言葉を読む小説。アニメーションする短歌集。80名が同時に作ったマンガ作品(著者が誰だか規定しようがないので誰も著者でないことになった)。標準で600ページ超えの作品。電書フリマ技術班のskypeチャット打ち合わせを構成した作品。絶版になった本のテキスト。さまざまな雑誌に掲載された文章。同じインタビューを数バージョン収録。漫画と動画の中間を連想させる読み心地のゆったりとしたパラパラ漫画など。これは作りたい未来の電書ではなくて、すでに在るモノたちだ。

    ビジョン。街中のありとあらゆる場所で。井戸端会議の未来版のように、テキストが交流している。電書のやりとりが行われている。

    2010年末から「歩く電書販売人デンショロイド」になった。ぼくに遭遇したらいつでも電書を購入できる。ぼくは、ツイッターや foursquareで居場所を随時おおやけに発信する。電書をゲットしたい人は見つけて声をかけてくれ。

    2011年からは「電書雑誌よねみつ」という電書雑誌を発行。不定期。出したい時に出す。何か興味のある事件があれば、それについて翌日に発行してもいい。年間購読してくれている読者は作者にもなる。ページ数も、発行日も、配信方法も、何もかも実験であるような電書。

    この後、電書予言、電書百科事典(「エンカルタ」は何故滅びたか)、2010年電書大賞、まだ上司なんてシステムあるの? 米光予言、プラットフォームはどこだ、と話がバンバン跳びながら、ひとつのことしか言ってないという原稿になってるので、ぜひ読んでください。

    で! ラストにこう書いた。
    補足。『ユリイカ』発売後にこのテキストをベースにしたツブヤキをtwitterで連続投稿する(@yonemitsu)。リアクションを含めた連続投稿を共同執筆サイト(今のところ「knol」を想定)に掲載する。
    というわけで、「編集は死ぬ/蘇る 俺が、俺たちが、ソーシャルだ!twitter読書会」を17日の22時ぐらいからかなー、にやります。
    よろしく!

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