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石黒正数『ネムルバカ』でうるうるした
石黒正数『ネムルバカ』を読み終わって、うるうるしている。

おもしろかったなー。
大学の女子寮。バンド活動に打ち込む先輩鯨井ルカ。何に打ち込めばいいのかわからない後輩の入巣柚実。
「あ〜何もねーのかよ」
「冷蔵庫にギョニソが一本」(ギョニソ→魚肉ソーセージ)
「つか なんで起こすんだよ 晩メシなんて寝飛ばしちまえばいいだろ」
何気ない日常の描写、積み重ねられるふたりのキャラクター。
どのくらい掘れば先に進めるのかわからない分厚い壁、「先の見えない先行投資って空しいな」とぽつりとつぶやくのは先輩。
無茶するのは実は後輩で、隠れた自分の才能に気づかない(先輩は気づいている)。っていうか、それは才能なのだろうか。というような絶妙な設定(ネタバレになるから書かないけど、すごくいい)を、するっと軽く扱う。今っぽいくだけ方。
アーティストの卵が集まるショップの戯画化。
「あー駄サイクルだねー 輪の中で需要と供給が成立しちゃってるんだよ 自称ア〜ティストが何人か集まって そいつら同士で 見る→ホメる→作る→ホメられる→見る→ を繰り返しているんだ」
と腐しつつも、「駄サイクルの輪は自称ア〜ティストに限らず色んな形でどこにでもある…」と自分をふりかえる。
「妄想ってのは 妄想の中でウソを演じてる限り 絶対実現することはありえないの」
後半はベタな盛り上がり方をするんだけど、そこにいたるまでに、ふたりに共感を寄せているから素直に盛り上がれてしまう。
1巻完結で、しっかりと心に残る傑作。


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