+RECOMMEND
仕事を100倍楽しくするプロジェクト攻略本
仕事を100倍楽しくするプロジェクト攻略本
米光 一成
「楽しいプロジェクト型」で仕事を楽しくデザインするための攻略本。
+RECOMMEND
恋愛小説ふいんき語り
恋愛小説ふいんき語り
麻野 一哉, 飯田 和敏, 米光 一成
ゲーム作家3人が、『恋空』『蹴りたい背中』『ナラタージュ』など女流作家の恋愛小説20冊を読んで、恋、小説、ゲームについて徹底討論&馬鹿話。あらすじ漫画つき。
<< September 2010 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
<< ツブヤ大学RaKuGo2限目に出るよー | main | 文章推敲をUstream生放送してみて >>
「文章改善道場1on1第三回目
「文章改善道場1on1」第三回目、
2月24日24時30分から、やるよー。

米光が講師をやている宣伝会議の「プロフェッショナルライティングコース」が2月27日スタート。
この講座は、隔週土曜日の講義だけでは終わらず、ネット講義もあるのです。
そこでスタート前のネットプレ講義として「文章改善道場1on1」を開催しております!の3回目です。

UstreamとSkypeを使って、
書いた本人と米光が原稿を挟んで切磋琢磨、より良い原稿に改善していく模様を生放送。

今回は、ソフトバンクの「週刊ビジスタニュース」掲載を目標に、5つのテキストを、5人連続で!

テキストは↓
「参加型販売がマイナーを救う」

------------------------------------------------

 さて、質問から入ろう。以下3点の小説の共通点は何だろう?

 「船に乗れ!」全3巻 藤谷治著 (JIVE発行)
 「神様のカルテ」   夏川草介著(小学館発行)
 「告白」       湊かなえ著(双葉社発行)

 答えは、すべて本屋大賞候補作であることだ。
 本屋大賞という言葉になじみがない方も多いと思うので、少し解説しておこう。
 
 本屋大賞は、2004年、書店員、出版社営業有志らによってはじまった国内小説に送られる賞だ。
 直木賞、芥川賞など知名度の高い賞が権威化してしまい、本当に読者が求めている本、店側が売りたい本と乖離しているのではないか。そういった危機感から生まれた現役書店員の投票による完全多数決式の賞である。

 現場の販売者が選考しているので、旬の本が高く評価される面白さがあるが、一方でより多くの書店員に読まれている作家、つまり人気作家がノミネートされる傾向にある。
 そのため、「常に書店で平積みされている作品に今更賞をあげる必要があるのか」という批判も最近は生まれてきた。逆に言えば、読まれていなければどんな良作でもノミネート、ましてや受賞はむずかしい。
 
…と、ここまで読んで気づく方もいるだろう。
「告白」「神様のカルテ」は作家のデビュー作であること。「船に乗れ」の著者、藤谷治はデビューこそ2003年だが、それまではあまり売れる作家でなかったということに。

いわゆる人気作家ではなかった彼らが、どうしてノミネートされ、「告白」にいたっては大賞受賞にこぎつけたのか。

それは、この3作のもう一つの共通点を発見することで見えてくる。
これら3作は、すべて発売前に書店員にゲラを送り、出版社と書店が共同で販売戦略を立てた上で書店店頭に並んだ作品なのだ。

 ゲラというのは書籍の完成前に、校正をするために出力された用紙である。本文だけが印刷された状態の紙の束をイメージしてもらいたい。そのゲラが、なぜ事前に書店に送られるのか?
 映画の試写会をイメージしてもらえばわかりやすいだろう。
 評論家や映画好きの人々を集めて映画を鑑賞してもらい、それを話題にしてもらうことで上映後の集客に結びつける。
最近ではこのゲラを発売前に各書店の仕入担当者に送り、中身を気に入ってもらえたら事前に販売規模を広げてもらう…などの戦略をとることが一般化した。

ゲラは、宣伝戦略の最初の一歩なのだ。

この3社の中で、もっとも規模の小さい出版社であるJIVEは、このゲラを効果的に活用した。
2巻発売直前に前年の本屋大賞特集冊子を調べ、本屋大賞に参加している書店員をリストアップ。該当書店員宛に「記入の上ファックスを返送していただければ、第1巻は献本、2巻のゲラ、POPなどの販促品を手配する」旨の封書を届けたのである。

業界内でも知名度が高いとは言えない藤谷治という作家の作品を、いかに認知してもらうか。では、実際に読んでもらってその真価を知ってもらえばいいという戦略だったらしい。

この戦略が、当たる。2巻発売時、いくつかの書店が売場の一等地でのフェアを開催。また、あるチェーンでは「2008年度店員のおすすめ作品10作品」のひとつとして、チェーン全店での大規模なフェア展開が実行された。
店頭でのPRの他に、多くの書店員が新聞、雑誌等に本作を取り上げ「船に乗れ!」は徐々に注目を集めてゆく。

最終巻刊行の2009年11月には、JIVEホームページ上に特設の「船に乗れ!」応援ページが作られ、これまで作品を応援してきた書店員の名前がずらっと並んだページが披露された。

そして、「王様のブランチ」というTV番組で紹介され、あまり頻繁に本を読まない層にも知られるようになり、ついには本屋大賞にノミネート…。
と、これが「船に乗れ!」のサクセスストーリーだ。

それは、ゲラを読むことからはじまり、作品が話題になる前から追加をかけ、自主的にPOPを作り、時には販促物にコメントを提供することで、1冊の本が特別な存在になっていくという、書店員にとっての商品の成長過程でもある。

小売業は、認知度の低い商品を売るのが難しい仕事だ。基本的に売れるものを売ることが販売の大前提となっているからだ。しかし、こうやって出版社と書店が一体となって、作品を育てていくことで、マイナーと言われる商品にも活路が見いだされることがある。
これは、いわゆる広告宣伝などを中心とした販売戦略とは別の、「商品を育成する販売」と考えてよいだろう。

今回紹介した小説での事例は、いわゆるB to B関係の中での戦略だが、もうひとつ、B from Cとでも言うべき育成関係をはぐくんでいる作品がある。

児童向けアニメ映画「マイマイ新子と千年の魔法」だ。

2009年11月に公開されるも、知名度の低さが災いし、当初の集客は不調。あっという間に終演決定…のところをかろうじて踏みとどまったのは、ファンの自発的な行動によるところが大きい。

ひとつは、ネットでの口コミの力。もうひとつは、書名サイトの存在だ。

公開当時はアニメ業界ですらあまり注目されていなかったこの作品を、最初に話題にしたのはアニメや映画の感想を書いているブロガーたちだった。
「映画館で観るべき作品だ」「どこがすばらしいのか説明できないが、泣ける」「何度でも観にいきたくなる」そして、「客入りが悪い。今観ないと目にすることができなくなるかもしれない…」とブログに書き込んだのだ。
 これを受けて、数少ない上映館のひとつである新宿ピカデリーのモーニング上映が満杯になる。平日モーニング、子供向けアニメ映画の上映が、30〜40代のサラリーマンで埋まったのだ。

 この動向を見た配給側が、ミニシアターラピュタ阿佐ヶ谷に話を持ちかけ、21:00からのレイトショー上映を開始。

 同じ頃、フリーライターの廣田恵介氏が上映存続署名サイトを立ち上げる。
 この二つの出来事が話題となり、サイゾー、読売新聞などに取り上げられ、「マイマイ新子と千年の魔法」は少しずつ世間に承知されていく。

 ラピュタ阿佐ヶ谷での上映は2度の延長を経て、50席の映画館では異例の2300人動員数を残し、2月19日に終演。署名サイトも2月28日をもって閉じられようとしている。しかし、いまだに全国各地で細々と上映が続いており、監督の片渕須直氏も参加するツイッター上では、今も上映存続のためのファンによる活発なディスカッションが続いている。時に、自主制作でチラシを作るものあり、自費でお子様無料招待イベントを開くものあり。これは、まさに観客自身が作品を育てている例と言っていい。そして能動的な観客達は、その経験そのものを「マイマイ新子と千年の魔法」という映画の一部として楽しんでいるのだ。

 不景気の影響を受け、どのような傑作でも、知名度の低いものを売り出すのが難しくなっている。しかし、すばらしい作品には、愛されることで受け手を能動的にする力があるのだ。
「うちの商品は知名度が無くて売れない…」と嘆いている方々は、一度作品を信じて、受け手が能動的に参加できる機会を作ってみてはどうだろうか。



■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
縄文時代の抜歯にみる「成長と痛み」   : 仔柴 健
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

縄文時代に生きる人々は、自ら健常な歯を抜歯していた。

 その方法は、抜く歯(主に前歯、犬歯等)の裏側に板のようなものを補強し、前方向から数回叩き、歯がぐら付いた後に、力ずくで引っ張り抜く、というものだとされている。こうして書いているだけで、口の中に血の味がするような感覚に陥る非常に野蛮な行為だ。とはいえ、縄文時代の人々と現代の私達は生物的に同じ人間である。好き好んでそんな行為をしていたはずが無い。それにも関らず抜歯された縄文人の人骨の比率は凡そ9割とかなり高い割合である。

宮崎県里浜貝塚  :13体のうち11体 :85%
愛知県稲荷山貝塚 :41体のうち41体 :100%
愛知県吉胡貝塚  :133体のうち125体:95%
岡山県津雲貝塚  :72体のうち63体 :88%

 何のためにそんなことをしたのだろうか。
私は、縄文人が人間の精神的な成長に痛みという感覚が不可欠であることを知っていたのではないかと思う。

 まずは、縄文時代がどんな時代だったのか、簡単に説明しておかなければならない。一言で片付けるなら、縄文時代とは現代社会の雛形が生まれた時代だ。この時代に人間は定住地を決め、集落を作り、お互いに助け合う生活を始める。また、共に行動する人数が増えたことにより、集団の統制のための部族長や呪術的な信仰が生まれた。

 一般的な解釈では、抜歯は成人するための通過儀礼だとされている。近代以前の社会では男女を問わず若者が一人前のものと認められ集団の仲間に加えられるとき、厳しい訓練を伴う儀式が行われることが多い。縄文時代において、抜歯の苦痛に耐えることが成人式であったのだろう。止血も麻酔もない時代に歯を抜くことは命にさえ関わる行為であるが、その痛みを経験することで、命がけの狩猟や厳しい自然に打ち勝つための勇気を養うことに繋がったと考えるのは難しくない。つまり、縄文時代は大人へと成長する過程で痛みを体験させる社会だったのだ。

 それに対し、現代の日本社会は痛みを排除する社会である。抜歯のような肉体的な痛みを伴う通過儀礼は無くなった。しかし、痛みとは社会から完全に排除すべきものなのだろうか?人間が成長し、豊かな社会生活を営むために、それを知らずにいることは不可能だと思うのだ。何故なら、社会への参加者は自分が成長した暁には他の人間を管理し、責任を負って行動しなければならなくなるからだ。強者が好き勝手に生きるのではなく、弱者の肉体的、精神的痛みを自分の痛みとして認識し、社会のために尽力しなければならなくなる。

 しかし、現代では強者は弱者の痛みを想像することが難しく、様々な相互不理解を生んでいる。

 例えば、HIVに関する知識である。HIVは性行為を除く日常生活では感染しない。それにも関らず国外では感染の疑いがあるだけで労働、教育、保健といった基本権利さえ認められない国がある。国内においても、腎不全の治療のために透析を受けようとしたが拒否されたという事例が存在する。事例の当事者は次のように語っている。

 「平成20年12月まで都下に住んでおりましたが、その年の8月まで片道1時間半の通勤時間を要する会社に勤めておりました。透析病院は住まいと勤務先との中間地点にありましたが、週3回(各4時間の透析時間)就労後の午後6時より10時まで透析をし、帰宅は11時半でした。これは私にとりましては仕事と通院、および体調管理の上において極めて負担の大きいことでしたので、その年の春ごろに私のようなHIV陽性の透析患者を受け入れてくれる透析病院を住まいの近くに探すか、または住まいに近い会社に転職するかを考え、透析病院の院長を通じ、そのような透析病院があるか問い合わせをして頂きましたが、受入れを許可してもらえる病院は1つもありませんでした。

(中略) 

受入れを拒否され、就労や行動範囲においても身動きできないのは、ある意味で差別されていると感じることが多々ありました。
これは透析に限らないことであり、様々な合併症を伴う病気においても、今後、さらに増加が予想される問題の1つかと思います。緊急に状況を把握し、解決されることが、患者および医療機関双方において必要不可欠なことと思います。」
(http://www.janjannews.jp/archives/2439041.html)

 在日外国人、鬱病、いじめ、凶悪犯罪、薬物依存…他にも相互不理解の事例は存在する。
 個人の痛みが減少しているはずはないのに、現代ではお互いが痛みを感じているという認識が不足しているように思える。

 大多数の人々が精神的な痛みを感じているのは確かだが、自分の痛みを訴えるだけでは、母親に守られている子供と変わらない。大人に成長することとは、痛みが自分の外側にも存在することを知り、その訴えを聞き取り、行動することが出来るようになることなのだ。


お前がストリーム

書いた人・ゆりいか

 先日、NHKの集金が僕の家を訪れた。
「すみません。お宅にテレビがあると思うのですが」
「テレビ持ってないですけど」
「え?そんなことないでしょ?」
「いや、ないですよ」
別に嘘をついたのではない。本当に僕の家にはテレビがないのだ。

 内閣の消費動向調査によれば、年齢階層別にテレビを所有している世帯の普及率は2009年の時点で、60歳以上で99.0%、30〜59歳で99.8%だ。もうほとんどの人が持っている。僕が含まれる29歳以下は91.8%だから、100人いたら10人は持ってないわけだけど、それでも90人が持っている訳だ。マイノリティにも程がある。そんな僕はインターネットで「生配信」をずっと見ていた。

 先日、2月2日にソフトバンクがアメリカのライブ動画配信サイト「ユーストリーム」に多額の資金を出資するというニュースが出て、話題になった。これはPCやiPhoneといった機器を使って「誰もが、世界に向けて生放送できるサービス」だ。

 「ユーストリーム」だけでなくこのような「生配信(テレビの生放送と区別してネットではこう呼ぶことが多い)」サイトはたくさんあり、有名なもので言えば、「ニコニコ生放送」「ピアキャスト」「スティッカム」「ジャスティン」等が挙げられるだろう。それら全ては誰でもテレビのような生放送をすることができる。
 
 僕がこうしたサービスの存在を知ったのが二年前だ。これを知ってから、個人の生配信を見るようになった。例えば、こんなものがある。
 
 クリスマスの一ヶ月前、一人の女子高生が配信をした。彼女は片思いだった男の子に別に好きな女の子がいることを知って、自分の恋が叶わないことを知った。その時の気持ちをそのまま涙と怒りと共にパソコンに向けて世界に生配信した。ただ泣き叫び、モテる人間たちへの妬みの言葉を吐き続けたのであるが、その姿が皆の心を打ち、視聴者は1000人を越えた。テレビでは不可能な、プライベートな放送である。

 そして、生配信サイトの多くには「チャット機能」が搭載されている。
視聴者は配信を見ながら付随しているネット掲示板でそれを使用することができる。もちろん、他の視聴者だけでなく、配信をしている送り手ともコミュニーケーションをとることができる。その時の女子高生の生配信のチャットも、彼女をからかうような発言と慰めようとする発言とが混同し、皆が一体となって、彼女の動向を見守っていた。これは、チャットに書かれていることに対して送り手が返答をすることが自然な形で定着していることが分かる。
 
 この仕組みのおかげで僕が感じることができるのは一体感だ。
それは駅前の路上でギター片手に歌う若者を見るときの気持ちと似ているかもしれない。受け手は行きがかりにふと立ち止まって、送り手が共に時間を過ごす。送り手も流れていく人たちを見送りつつ、ゆるくつながって雑談したりリクエストを聞いてみたりする。
 
 僕は、今配信しながらこの原稿を書いている。もともと自分の録音された声が苦手で配信をするのは抵抗があった。ただ、この原稿を配信で書きながら放送すると宣伝したところ、予想以上の反響をいただいて、一度やってみることになった。約70人の視聴者に原稿を見てもらい、チャットで意見を聞いてみた。ユーストリームで、「ユーストリームってどうなの?」と聞くと言う話だったのだけど、チャットは盛り上がった。ここで感じている「一体感」って何だろうという話題から、ネットの双方向性が突出したメディアであるとか、限りなくコミュニケーションツールに近いメディアであるとか、様々な意見が出された。僕はそれに対して受け答えして、原稿の方向性を導き出す事ができた。配信をやっている間じゅうずっと感じていたのは、対話をしているような感覚だった。視聴者は、チャットを打つことで参加をしている意識が持て、意見に反応がすぐに返ってくることを楽しむことができる。配信者はその様子を見て、さらに盛り上げようという意識を持つことができる。お互いにとって新鮮なのだ。

人との触れ合いを簡単にもつことができ、配信者にも視聴者にもなってどちらの楽しみも持てることができる。そんな中で味わえる感覚は人それぞれだ。だから、それを一度体感してみて欲しい。

NHKの集金のおじさん、あんたも自分を「生配信」しちゃいなよ!




■━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━
■□ 田中モトヒロ「UCCのTwitter広告炎上に見る『火消し』の方法」
■□
■━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━

2月5日、Twitter上でUCCコーヒーの公式宣伝が問題となり、Twitter.jp
からもスパム認定されるトラブルが発生しました。問題となった宣伝自体は発生から2時間で終了したのですが、注目すべきは速やかな事後処理です。

騒動の発端は、UCCが2月5日午前10時に開始した、コーヒーアート作品募集キャンペーンの促進活動でした。宣伝に使ったのは、Twitter
で「コーヒー」「UCC」「懸賞」「小説」など、30種類のキーワードを書き込んだユーザーに対し「UCCがコーヒー関連の作品を募集しています」と通知する
BOT(特定の単語に自動反応して返信するプログラム)です。

しかし開始後すぐに、この広告がTwitterユーザーの間で非難の的になりました。「小説読んでるなう」など、UCC
と無関係でも何らかのキーワードを含む発言をしただけで、BOTが反応して通知を送ってくるからです。
さらに、取得したTwitterアカウントは1点ではなく、11点。どのアカウントも「コーヒーにまつわるエッセイとアートを募集中!エッセイで賞金200
万円!アートで賞金100万円!締切間近!!」という同じテキストを手当たり次第に送り続ける、一見スパムのようなアカウントでした。

実際、11アカウント中3アカウントがTwitter
側でスパム認定され、停止処分を受けました。ツイッター公式サイトにスパム行為とみなされる事項が記載されていますが、今回当てはまったと思われるのは下記の4
点です(※1)。

*・** **そのアカウントに対し、多くのスパムの苦情がある場合**
**・** **重複した内容を、複数アカウントから投稿したり、ひとつのアカウントで重複した投稿を複数した場合**
**・** **多数のユーザー向けに、同じ内容の**@**付投稿をした場合**
**・** **サービスやリンクを多数の人に送信しようと、一方的な**@**付投稿を多数のユーザーに送った場合*

結局、UCC側でも騒動に気づいて自主停止し、わずか2時間のうちにアカウントは全てストップ。15時20分、UCC
上島珈琲の公式サイトに謝罪文が掲載されました。

Twitterで公式キャンペーンを行うには、あまりにもお粗末なシステムだったと言わざるを得ませんが、この騒動は、奇しくもTwitter上でのUCC
の知名度を高めることになりました。
UCCグループの経営するコーヒーショップ「上島珈琲店」のTwitterアカウント「上島珈琲店なう」
は12月18日にTwitterを開始し、2月8日正午時点のフォロワーは2,200人前後でしたが、2月26日0:00現在のフォロワー数は4,051
人と、この3週間足らずで急激に増加しています。
その理由は、以下の3点ではないかと推測できます。

*1.**問題に対して迅速に対処したこと**
2.PDF**・**HTML**両方で謝罪文を掲載したこと*(※2)*
3.**メディア向けに説明会を開き、原因と課題を明確にしたこと*

1.について、炎上した時に事をややこしくするのは「長期間放置する」「なかったことにする」ことです。
時間が経つほど、問題を知る人が広まり、抗議メールや電話が増えます。かといってアカウント削除を削除して知らん顔をしても、問題の画面をスナップショットで保存している人が確実にいます。
WEB魚拓(WEB上の情報を保存するサーバ)などに再アップされ、よりひどい炎上に発展するのがオチです。
公明正大に「概要」「問題点」「対応策」を明記した謝罪文を発表したことが事態収拾につながりました。

2.については、細かいことのようですが、Twitter上では評価の声が挙がっています。
当初UCCはPDF版の謝罪文だけアップしていましたが、Twitter上のつぶやきに応じてHTML
版をアップしたとのことです。これは顧客の要望をすぐに汲み取る姿勢があるというアピールになります。
また、公的文書はPDFでアップされるのが一般的ですが、場合によってはPDFを開けない環境もあり得ます。閲覧環境が整っていても、スペックの高くないPC
だとPDFを開くのに時間がかかるので、さりげなく満足度を高める心配りではないでしょうか。

3.についてはITmediaに詳細が記載されていますが(※3)
、ネットメディア向けに「概要」「問題点」「対応策」について説明会を開いただけでなく、今回の反省を生かすため勉強会を行い、その結果を公開した上で
Twitterに再チャレンジするという方針を打ち出しています。
UCCグループの「上島珈琲店なう」 がフォロワー1人1
人とコミュニケーションを図って成功しているため、勉強会でもTwitterにおける事例として使うようです。
メディアに対して情報をオープンにし、今後の方針を示したことから、今回の失敗を真摯に受け止める意識があると見ることができます。身内に見本と反面教師のサンプルが両方揃っているので、再チャレンジに対しても期待ができます。

見事なまでの対処の早さに、一部ネット上では「スタートから謝罪まで、全部計算した自作自演じゃないか?」という声も見受けられましたが、今回の対応が非常に理想的だったことの表れと言えるでしょう。
トラブルに際して「迅速に対処する」「相手に説明責任を果たす」「今後の方針を明確にする」のが大事なのは、ネット上でも実社会でもそう変わりません。

個人的に、今回のUCCのトライ&エラーは非常に価値のあるものだと思います。
結果は散々でしたが、アクシデント時に速さと強さを発揮し、反省点と次回の目標まできっちり出せるのは、炎上を恐れて無難な広告を続ける企業にはない、未知の可能性を感じます。
次回は焦げついたやつじゃなく、じっくり焙煎したTwitter広告が出てくることを期待しています。

*-----------------------------*

(※1)Twitter.jp公式ヘルプより引用
http://jptwitterhelp.blogspot.com/

(※2)UCC上島珈琲公式サイト キャンペーン募集ページ
http://www.ucc.co.jp/gcs/

(※3) ITmedia 「Twitterを理解していなかった」――UCC、キャンペーン“炎上”を説明 勉強会で経験共有へ
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1002/09/news081.html




畑男子からの誘い / まるたにようこ


「今週末、うちの畑に来ない?」と、彼は言った。
区から借りている畑の野菜が、収穫時期なのだという。わたしは考えてしまった。これは、好意からの誘いで共同作業が目的なのか。それとも、単に人手がほしいだけなのか。そして、わたしにはもうひとつ迷いがあった。もし、一緒に収穫をしたとしたら、その食材を使って一緒に料理をしようというのがふつうの流れではないか。わたしは料理が苦手である。

ここ最近、彼のように都心で畑を借りて、週末に農業を趣味で楽しむというライフスタイルが人気らしい。一般に、このシステムは「市民農園」と呼ばれている。1998年の時点では全国に112,554画だった市民農園は、2005年には156,718画まで増えた。さらには2005年の改正特定農地貸付法の施行により、地方公共団体や農業協同組合以外でも開設が可能になり、まだまだ増え続けているという。また、その約7割が都市部に存在していて、1区画は50平方メートル以下(畳でいうと18畳)の小面積。年間5000円〜1万円で借りることができる。事前申込制になっていて、応募をしてもなかなか当たらない人気の区域もあるらしい。

実際に、わたしの周りには畑を借りている友人が数名いる。なぜか、全員が男性である。最初のきっかけは、なんとなくで応募したら当たってしまったというレベルらしいのだが。それでも、実際にはじめてみると耕し方はもちろん、「トマトの成長をよくするために、となりにはバジルを植えるといい」とか「もぎ取るタイミングの調整で、鳥の攻撃を1つの実に集中させて他の実を守る」といった、畑を育てていくためのポイントがいくつもあって、夢中になっていったのだという。自分のやったことによって、畑が素直に変化していくのがおもしろかったのだろう。ロールプレイングゲームの感覚にも近いのかもしれない。

畑を耕して、実がなって、やがて収穫をむかえる。その後に待っているのは、「食べる」こと。前述の男性たちは、できるかぎり自炊をするようになったと話していた。そして、揃いもそろってお弁当づくりまで始めてしまっている(そうでもしないと食べきれないらしい)。あげくには、ぬか漬けをつくっているという人まで出てきてしまった。もう、これでは男性というよりもお母さんである。

冒頭の畑の誘いを、わたしは断った。そのあとで、畑男子たちの行動を調べて、お弁当やぬか漬けのことがわかったのだ。わたしはただ単に労働力として誘われたんだろうなと思う。ましてや、料理なんてできなくて良かったのだ。だって、彼らはお母さん並の腕前なのだから。

「全国市民農園データベース」レンタル畑が検索できます
http://park10.wakwak.com/%7Ekae/farm-db2/search.html
| 講座 | 23:41 | comments(0) | trackbacks(0) |









http://blog.lv99.com/trackback/1021622
▲このページの先頭へ  もっと読む: /