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第142回芥川賞候補作、松尾スズキ『老人賭博』、舞城王太郎『ビッチマグネット』他
第142回芥川賞候補作、全部読んだので感想。

松尾スズキ『老人賭博』
ぐっときた。映画撮影現場の顛末と師弟関係とギャンブルの話。
改変されたシナリオの繊細な調整具合とか、美少女アイドルのキャラクター設定とエロさ具合とか、がむしゃらの突破力だけじゃなくて、うちにひめた突破力もあって、すごくいい。

舞城王太郎『ビッチマグネット』
ミステリ枠じゃないので、突き破る枠が見えないまま突っ走ってる感じで、しかも、描写や行動や物語で押し進めるわけじゃなく理屈が先にきてるから、その理屈に共感できる人は「あるある!」で楽しめる。文体のリズムは、舞城節全開で、すごい。

大森兄弟『犬はいつも足元にいて』
リーダビリティ高い。
屁の扱いが安易なのが最大の欠点か。作家は屁をいつなんどきでもひらせる特権を持ちえるのだから、安易なポイントで登場人物に放屁させてはならない。屁を使うなら覚悟して使っていただきたい(俺誰) 。

羽田圭介「ミート・ザ・ビート」
“取り組む直前までは得体の知れない難解なものの固まりに思える勉学も、机に向かって一〇分も経てば単純作業に切り替わる”
“煮え切らないまま、それでいてきちんと下腹を熱くさせるのであった”
“数キロ先まで広がる開発地の建造中の建物一つ一つに目を這わす”
“ブラウザを開くと「自動車/譲渡」で検索を行った”
といったような文章がOKな人なら読めるよ!

藤代泉『ボーダー&レス』
さわやかな青春小説としても、大オススメ。→第142回芥川賞候補作、藤代泉『ボーダー&レス』感想
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