2016.03.04 Friday

大東京マッハのここがおもしろい

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    文芸フェス小川未来くんが、東京マッハについて取材してくれたテキストを転載です。
    米光が酔っ払ってご機嫌で喋っております。

    大東京マッハ(東京マッハVol.17)
    会場: 紀伊國屋サザンシアター
    日時: 3月6日 13:00 - 16:00
    出演者: 米光一成 / 長嶋有 / 堀本裕樹 / 千野帽子 / 池田澄子 / 村田沙耶香
    東京マッハ公式サイト

    3月6日行われる句会「大東京マッハ」出演者で、「ぷよぷよ」などを手がけたゲームデザイナーの米光一成さんが、「ゲームとしての俳句、座の文芸の醍醐味」を語ってくれました。
    ・・・・・・・・・・・・・・・
    俳句って、ゲームとして、実はすっごいよくできてるんです。
    みんな学校の教科書で「これは歴史に残る名句なんです」って読みますけど、暴論吐くと、あんなのじゃ凄さはわからない! 
    俳句っていうのは、実際にプレイヤーたちが集まってやるものなんです。

    例えば今回は、俳句に一家言ある奴らが、3月6日「大東京マッハ」に集まったと。で、そいつらは俳句をいくつか事前に作ってきて持ち寄っておるぞ、と。
    持ち寄った句をシャッフルして無記名で紙にまとめてみんなで読み合う。6人が5句ずつ作ってきたら、全30句のエントリー。読んだり悩んだり各々で気に入った作品を選んで、点数をつける。自分の作品は除いてね。
    そして、無記名のまま「なぜその作品を選んだのか」を発表して、議論しあうわけですよ。

    で、ここがミソなんですけど、俳句って五七五しかなくて短いのでマッハで読める文芸だから、いろいろこぼれ落ちていくなかで、その句を選んだ人が作り手の意図を超えて、復元してくれるんです。
    例えばオレの句を誰かが選んでくれて「ここがこうですばらしい!」っていいところを拾ってくれる。すると、「そんな良い句をオレは作ったのか!?」と驚くの!「そ、そういえばそんな母への想いを読んだかもしれない…オレ…」なんて思えてきたりして。
    そんなふうに、色々みんなで議論して総合点を算出したあとに、「この句は実は俺がつくりました」と名乗り出て、誰々がいちばんだった〜とか確認するのが、句会の流れなんです。

    「座の文芸」と言われるんですけど、「座」でやるのがいちばんの醍醐味なのよ。だから学校で読むだけの俳句は、昔のプレイ記録を結果だけ読んでる感じなんですよ。
    ゲームでも、例えば将棋の棋譜なんかでプレイの想像はできるけど、実際にやっている醍醐味ってのがあるでしょ! 
    しかも競うのは俳句の良し悪しだけじゃなくて、議論の楽しさ、人狼的な面白さもあったりします。フリースタイルなダンジョンなんですよ。
    こういう句会の楽しさを伝えよう、というのが東京マッハの目的なわけです。

    当日は我々が句を作ってきて批評しあって良い作品を選び合うんですけど、せっかくイベントだからお客さんにも選句してもらうんです。みんなにも気に入った作品を選んでもらって、これがいいよーって決めるわけです。
    そうやって参加して観るとおもしろいんですよ。俳句って、高尚で近寄りがたいと思ってる人も多いでしょうけど、座の文芸としての俳句を体験すると、全然違うように見えてきますよ。

    目標は、来てくれたお客さんたちが帰りに、どっかでプレイしてくれること。カラオケでも居酒屋でもどこでもいいです。俳句は、紙とペンさえあればできる「紙ペンゲーム」ですから。
    そういう意味で、句会は文芸フェスにぴったりなんです。座の文芸である句会は短い文の芸を持ち寄って共有して戦って踊り狂うわけですから、これぞ文芸のお祭りであり文芸のフェスであるわけで、相性ばっちり。だから、みんな絶対来るべしだよ!!
    ・・・・・・・・・・・・・・・
    以上、米光一成さんのメッセージでした。
    (文芸フェス 広報担当 小川未来
    2016.02.15 Monday

    「ぷよぷよ」の生みの親が「発想力の鍛え方」を直伝! セブちゃんアカデミ〜 vol. 3

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      「ぷよぷよ」の生みの親が「発想力の鍛え方」を直伝! セブちゃんアカデミ〜 vol. 3
      セブ山さんと打ち合わせしてきたよ!
      「発想力の鍛え方」ってタイトルなので、米光の講座に来てる人とかは、「定番のあのネタをやるな」と思ってるかもしれないですが、やりましぇん(武田鉄矢のものまねで)。
      実際の作品を作るときの具体的な発想法をそれぞれが披露。
      米光は、「ぷよぷよ」をどう発想したのか。「想像と言葉」をどう発想したのかを喋る予定です。
      セブ山さんは、大ヒット記事をどう発想するのか話してくれるでしょう。
      そしてラストは、参加型で、セブ山×米光対決。
      おもしろくなるので、ぜひー。
      2016/02/26 (金)20:00−22:00 ソノテガBAR
      2016.02.08 Monday

      幻想文學セラピスト◆第四夜◆乱歩症候群

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        乱歩 さて、いよいよ、ついに乱歩でありますよ!

        千野帽子&米光一成スペシャルトークショウ
        幻想文學セラピスト ◆第四夜◆乱歩症候群
        「押絵と旅する男」「パノラマ島奇譚」を中心に

        全知全能、淫夢、誇大妄想、自己喪失、異類婚、性別転変、神化etc……
        お望みの夢へ迷い込むための入眠剤としての幻想文学を処方するトークショー。

        浅草から押絵とともに旅立とう−−パノラマ島へ。
        探偵・千野帽子と怪人・米光一成が乱歩の夢想へと分け入る90分。

        ●2月14日[日] open17:30/start 18:00
        ●料金 前売予約:1500円/当日:2000円
        ■会場 parabolica-bis[パラボリカ・ビス]
        ■東京都台東区柳橋2-18-11 

        「押絵と旅する男」「パノラマ島奇談」を中心にトークの予定なので、オススメは、『日本探偵小説全集〈2〉江戸川乱歩集』 (創元推理文庫)かなー。
        井上弘久朗読演劇「押絵と旅する男」が同日開催です。
        2016.01.27 Wednesday

        『偽詩人の世にも奇妙な栄光』 と『パクリ経済』

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          明日1/27、NHKラジオ第1「すっぴん」で9時ごろから「本、ときどきマンガ」米光担当回。
          パクリ問題を考える!と題して、

          四元康祐 『偽詩人の世にも奇妙な栄光』
          偽詩人はいかにして有名になりいかにして消えたのか。パクリとは何か、詩とは何か、創作とは何か、読む快楽とは何か。ハイテンポで展開する小説。

          K・ラウスティアラ&C・スプリグマン『パクリ経済』
          ファッション、料理、コメディ、マジック、アメフト、フォント、金融、データベース、音楽などのイミテーションとイノベーションについて考察した本。それぞれの超概略史もおもしろくためになる。 

          を紹介します。MCは麒麟の川島明さんです。
          2015.12.04 Friday

          柴崎友香×長嶋有×豊崎由美×米光一成「スポークンワードvol.4」四元康祐『偽詩人の世にも奇妙な栄光』

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            柴崎友香×長嶋有×豊崎由美×米光一成
            「スポークンワードvol.4」
            四元康祐『偽詩人の世にも奇妙な栄光』
            2015/12/26(土曜日)
            下北沢:本屋B&B

            小説家の柴崎友香・長嶋有、書評家の豊崎由美、ゲームクリエイターの米光一成の4人が結成したユニット「チア・リーディング部」。
            「この本いいよねー」って本を1冊選んで語り合う会です。
            今回は、四元康祐『偽詩人の世にも奇妙な栄光』(講談社)。
            詩人の四元康祐さんが書いた小説。
            中原中也にハマり、だが詩は書けず、苦しみ、そして……。
            帯の言葉はこうです。
            天才詩人か、それとも希代のペテン師か?
            詩とは何か? という謎に迫る、刺激に満ちた問題作!”


            中原中也に耽溺していく描写が、本好きにはぐいぐい迫ってくる本ですから、
            きっと、4人の読書歴というか何にハマってどうなったかって話題も出てくるのではないでしょうか。
            あーんど、
            盗作問題が騒がれた今年を振り返るにもぴったりの内容。
            松浦寿樹が、こう紹介しています。
            「偽」とは何か、そもそも独創とは何か、独創などあり得るのかという大きな問いを考えさせる作品。

            この本について、このメンバーで語ることを、今から僕自身もめちゃくちゃ楽しみにしております。
            ぜひ、みんなもお楽しみに。
            もちろん、まだ『偽詩人の世にも奇妙な栄光』読んでないよって人でもだいじょうぶだよー。
            2015.10.12 Monday

            読んでいいとも!ガイブンの輪。豊崎由美×米光一成。

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              読んでいいとも!ガイブンの輪。豊崎由美×米光一成。10/11の14:00から。場所、八重洲ブックセンター。
              来場ありがとうございました。翻訳家ではないのに翻訳について語るという無謀な内容なので、少ないかもなーとも思ってたけれど五十席ほぼ満員御礼ありがとう。
              しかも、ちゃんと興味のある人たち(リアクションがすごく気持ちいい)で埋め尽くされていて、いつもよりウルトラ1.2倍速でイッキに脳が動いた感じであっという間。あと少し時間あって続けられればいいのに。のギュっと密度高い空間で楽しかった。
              セレクトした本たちもたくさん売れて嬉しかった(いや、マジでおもしろいよ)。
              初めて会う人とやるイベントもいいけれど、何度も会って何度も話した人とやるイベントはピンポンのテンポいい打ち合いみたいで興奮冷めやらず。
              あとやっぱり41回も続いているイベントだという厚みが効いているのだなーとしみじみ感じました。

              さて、今週末10/17からは表現道場、よろしく。
              2015.08.05 Wednesday

              モノのメディア化とデザインの未来

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                【第19回文化庁メディア芸術祭】
                文化庁メディア芸術祭 x DMM.make AKIBAコラボレーション企画トークセッション
                出演exiii、森翔太、東泉一郎、米光一成、小笠原治
                 
                以下、告知文。
                 
                昨年11月にオープンした新しいモノづくりの拠点DMM.make AKIBAと、今回19回目を迎え現在作品募集中の文化庁メディア芸術祭のコラボレーション企画により、新しい技術によるモノづくりの魅力と、それを取り巻く最新の状況について語るトークセッションを開催します。今回のテーマは「モノのメディア化とデザインの未来」。先端的な作品を数多く見ているメディア芸術祭エンターテインメント部門の審査委員と、第一線で活躍するクリエイター、それを支えるDMM.makeエヴァンジェリストがトークを繰り広げます。
                登壇者は第19回文化庁メディア芸術祭のエンターテインメント部門の審査委員を務める東泉一郎氏(デザイナー/クリエイティブディレクター)と米光一成氏(ゲームデザイナー)のお二人と、小笠原治氏(DMM.makeエヴァンジェリスト)、第18回文化庁メディア芸術祭で優秀賞を受賞した『handiii』の作者でDMM.make AKIBAを拠点に活動するexiii、第17回文化庁メディア芸術祭で審査委員会推薦作品に選出された『仕込みiPhone』と『脊振ILCハイスクール!』の作者で映像作家・パフォーマーの森翔太氏が参加予定です。
                ※ 定員に達し次第受付を終了させていただきます。
                 
                メディア芸術祭作品募集期間です。プロ、アマチュアおよび自主制作作品、商業作品を問わず応募できるので、ぜひー。
                2015.07.21 Tuesday

                「どうすれば人気レビュー記事が書けるのか」米光一成×島影真奈美

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                  米光一成×島影真奈美
                  「どうすれば人気レビュー記事が書けるのか」
                  『エキレビ!』(エキサイトレビュー)5周年記念


                  2015/07/29 水曜日 20:00-22:00(19:30開場)
                  本屋B&B(下北沢)

                  この五年のウェブメディア激動の変化をおさえながら、「人気レビューってどうすれば書けるのか」を探っていくイベント。
                  『エキレビ!』立ち上げ時から五年間コンスタントに書き続けている米光一成×島影真奈美で進行。編集長も途中から乱入。

                  メディア環境がめまぐるしく変化するなか、ライターに求められる資質や能力も変わりつつあるのか。人気のレビュー記事を書くにはどうすればいいのか。これまで『エキレビ!』に掲載された記事の中からとりわけ人気があった記事TOP50をピックアップ。「人気レビュー記事の書き方」を語り合います。
                  イベントならではの赤裸々トークになるので、ウェブメディアやレビューやエキレビ!に興味がある人は必見。
                  2015.06.24 Wednesday

                  『武道館』(朝井リョウ/文藝春秋)@NHKラジオ第一「すっぴん」

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                    6/25、NHKラジオ第一「すっぴん」のコーナー「本、ときどきマンガ」9:05〜で、『武道館』(朝井リョウ/文藝春秋)を紹介します。アイドルが主人公の青春小説。
                    “恋愛禁止、スルースキル、炎上、特典商法、センター、握手会、音ハメダンス、卒業、アイドルの聖地、武道館。これがほんとうのことだよと教えられるのではなく、自分の手で掻き分けて、その奥にあるほんとうのことにきちんと触りたい。これがほんとうだと教えてくれる人たちは、きっと嘘ばかりついているから、端から順番に全員吹き飛ばしてやりたい。”P220
                    2015.06.23 Tuesday

                    「「日本翻訳大賞」を立ち上げたこと」

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                      第22回東京国際ブックフェアの出版梓会ブース、西崎憲×米光一成でトークします。
                       
                      以下告知文。
                      「「日本翻訳大賞」を立ち上げたこと」
                      7月2日(木)
                      15:30〜17:00
                      西崎憲(翻訳家、作曲家)/米光一成(ゲームデザイナー、ライター)
                      ●一般読者から資金を集めて一から賞を作り上げ、名だたる翻訳家たちが選考委員を務めて大きな話題を呼んだ「日本翻訳大賞」。その成果を「言いだしっぺ」ふたりが語り合う。
                       
                      他にもいろいろイベントあって本好きは楽しいと思うので、ぜひー。

                       
                      同じ日、同じ場所(出版梓会ブース)のイベント。
                      「GRANTA JAPAN with 早稲田文学2016「Best of Young Japanese Novelists」企画発表会」
                      7月2日(木)12:00〜13:00
                      山口晶(早川書房出版本部長)/窪木竜也(「GRANTA JAPAN」副編集長)+スペシャルゲスト
                      ●英国最大の文芸誌「グランタ」の日本版第3号を来年3月刊行予定。特集は「若手ベスト日本作家」。第一線で活躍する作家が集うとともに、未知の才能を公募。その概要を発表。
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